地震・噴火・気象
248043 地震の発生メカニズム「熱移送説」の紹介(1)
 
匿名希望 11/03/27 PM03 【印刷用へ
地震の発生メカニズムとして「熱移送説」が提起されています。

その提唱者である角田史雄埼玉大学名誉教授の著書が『地震の癖』(講談社 2009年8月20日発行)ですが、その第一章「地震の起こり癖を探る」の要旨が『続・竹林の愚人』リンクに掲載されていました。以下、転載します。

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これまで、多くの人が 「プレートによる衝突と沈み込みによって地震が起こる」と習ってきたのではないでしょうか。
「地球内部の熱が溢れ出す海嶺から生まれた海洋プレートは、年間数センチ単位で移動し、大陸プレートを引きずり込みながら沈降し、海溝をつくった」というプレート同士に働く力を解明したのが、「プレート・テクトニクス理論」です。

1968年の十勝沖(青森県東方沖)地震(M7.9)の翌年に「地震予知連絡会」が発足。
その基本理念として、プレート・テクトニクス理論があり、観測強化地域として「東海沖地域」と「南関東地域」の2つの地域が選ばれました。
地震の原因がわかれば、地震を予知できるはずですが、この30年間まったく当たっていません。

地震は、本当にプレートの活動によって起こるものでしょうか?
地震予知連絡会を設置した測地学審議会は、2004年の建議で、南関東地域を観測強化地域から外しています。

地震学者は先に地震の原因をモデル化する、理論を先行させる研究ですが、私(著者の角田氏)の専門は構造地質学で、過去に起こった地殻変動の歴史を解明して、「結果」から「原因」を探る研究です。

研究を開始した1963年から、「地殻変動の原因、地震の原因はマグマやマントルにあるのではないだろうか」と思っていました。

たとえば、神奈川県と山梨県との県境にある丹沢山地の真ん中では、マグマの固まった閃緑岩が地下から押し上げて、上にあった地層を押し曲げています。
そうした地層の年齢を調べてみると、ほとんどが海底でできた地層です。
また、丹沢地域の南の足柄地域を調査すると、プレートの衝突や沈み込みがありません。
もし、太平洋プレートが押し寄せているなら、足柄地域は南から北へ力を受けて、東西方向に曲がった軸ができているはずです。
ところが実際の足柄の地層は、地下からの押し上げによって、東から西へ押し上げられて曲がっています。
2008年5月に発生した巨大地震では、日本では起こらずに、なぜ中国中西部の四川省で起こったのか、プレート・テクトニクス理論では理由を説明できないのです。

「マントルトモグラフィ」で地球内部の画像を写すと、マントルは均一ではないことがわかります。
そして、南太平洋とアフリカには、約6000度の溶けた物質でできている外核からの熱が伝わってきている様子がわかります。
私たちは長い間、「地球は上から地殻、マントル、地核(外核と内核)に分けられ、マントルには対流がある」と教えられてきましたが、マントルはまるで「アリの巣」のように、熱い部分と冷たい部分とが入り組んでいます。
つまり、マントル全体にわたるような対流は起きていないことがわかります。

地表に近づくにつれて、赤くなった熱い部分が横へ移り、もっとも地表に近い地下50kmでは、地震の多発地域である日本列島は真っ赤です。
どうやら地殻の下が高温から中温であることが、地震が発生する必要条件になっているようです。

つまり、「地下の熱移送と地震の発生には関連がある」ということで、「地下でマグマの高温化が発生」→「岩石が溶けて温度と液体圧とが上昇」→「体積膨張が発生」→「弾性変形・破壊」→「地震が発生」という一連のプロセスが想定できるのです。

中国の黄河中流域をこの熱移送で考えると、「黄河中流域は中温域であり、運ばれた熟で岩盤が膨らんで割れ、地震が発生する場所」という説明ができるのです。
地下の岩石が熱で膨張して体積が増しても岩石の量は増えないので、隙間、つまり割れ目ができて破壊が起こるというのが地震が起こるメカニズムです。

火山活動と地震活動にはある種の規則性があり、私は「地震の起こり癖」と呼んでいます。

岩手県内陸南部地震の震源は栗駒火山で、2003〜2006年ころから、南北に並んだ火山でマグマ活動が激しくなり、火山帯の地面は温かくなり、膨らんだことが予想されます。
その結果、「飛び跳ね」現象の地震が起こったのです。

2008年6月14日の岩手県内陸南部地震の後も、東北にある活火山は活発な活動を続けていますから、東北にはまだ地震エネルギーが残っているかもしれません。
その証拠に、太平洋沿岸地域では、M6〜7クラスの地震が次々と起こっています。
また、マグマ活動が盛んな時期に、太平洋沿岸で巨大地震が起き、その約1年後に内陸で火山の噴火や大地震が起きています。
東北地方では、約30〜50年周期で、太平洋沿岸と内陸で連動して大地震が起こるということです。
これが、東北における「地震の起こり癖」なのです。
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転載は以上です。

これから、地震の発生メカニズムの仮説である「熱移送説」の中身を、角田氏の著書『地震の癖』を元に紹介してゆきます。
 
 
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