実現論を塗り重ねてゆく
246036 印欧語の基礎(格変化)
 
村上祥典 ( 40歳代 電気設計 ) 11/02/20 PM07 【印刷用へ
印欧語は、長い侵略や統合の歴史の中で大きく変化しています。
その一つに格の変化があります。

○格とは?
印欧祖語は、名詞・形容詞等の文法的な格として主格、対格、属格、与格、具格、奪格、処格、呼格の8つを区別していた。紀元前のインド・ヨーロッパ諸語にはこれらを残す言語がいくつかあったが、後世には特に名詞・形容詞については概ね区別される格の種類を減らしている。

具体的に8つの格とは?(日本語での表現を参考に併記する。)
・主格リンク「〜は、が」
・対格リンク「〜を」
・属格リンク「〜の、〜から」
・与格リンク「〜に、〜へ」
・具格リンク 道具・手段を表す名詞の格
・奪格リンク「〜から、〜によって」
・処格リンク 「〜に、〜で(にて)」・場所
・呼格リンク 呼びかけ・主格に吸収される

格の数について言語別に見てみると
・サンスクリット 8格
・チェコ語、ポーランド語 7格、
・ロシア語 6格
・ルーマニア語 5格
・ドイツ語、アイスランド語 4格
・ヒンディー語 2格
・英語 2格

その他の言語では名詞・形容詞の格変化を失った言語が多い。
英語の名詞は主格と所有格を残すのみである。
名詞や形容詞の格を退化させた言語も代名詞に関しては格を区別するものが多いが、ペルシア語のように代名詞についても格変化をほぼ失った言語もある。他参照:リンク 

印欧祖語の8格を維持しているサンスクリット語は、インドの雅語として古典時代の宗教、文学、哲学、科学などあらゆる分野の文献に用いられた言語であり、そのまま8格を維持している。

サンスクリット語をもとに、もう少し分かりやすく解説した記事がありましたので紹介します。

以下、「サンスクリットの「格 かく」について」 リンク より引用。
-----------------------------------------------------------------
日本語では、名詞の存在や所属、方向性などを示す場合、「は」「を」「の」などをつけて文章を作り上げていきます。
 
例えば「私」なら「私は」「私が」「私を」「私の」「私に」などです。
学校で「がのをにへとからよりでや」とか、呪文のようなものを覚えされられ、すっかり国語が嫌いになった(笑)方も多いでしょう。
  
このような言語を「膠着語 こうちゃくご」という難しい名前で呼ぶのですが、「膠着」というのは貼り付けることで、要は「私」という名詞は変わらずに、「は」「の」「を」などを外に貼り付けることによって文章を作っていく言語、ということです。
  
これに対して、サンスクリットが属する「インド・ヨーロッパ語族」または「印欧語族」は、名詞の単語の内部を変化させることによって、その「は」「を」「の」などを表します。
  
このような言語を、日本語のような「膠着語」に対して「屈折語 くっせつご」と、これまた分かりにくい用語で呼ぶのですが、要は単語の内部で形を変えて、違った意味を表すという意味です。
  
私たちが長い時間かけて学んだ英語も、実は印欧語族の言語のひとつで、以前は立派にこのような屈折語の特徴を持っていたのです。それが時代とともに簡略化してしまったのですが、今でも「I 私」などの代名詞にこの名残があります。
I my me    アイ、マイ、ミー、
you your you  ユー、ユア、ユー、
he his him   ヒー、ヒズ、ヒム、
she her her  シー、ハー、ハー、」
なんて習いませんでしたか?
  
あれは「I」が「私は」、「my」が「私の」、「me」が「私を」を意味して、その時に「所有格」「目的格」などという言葉も一緒に習ったご記憶がおありの方もいらっしゃるかと思います。
これが屈折語の特徴で、英語は他の部分は簡略してしまいましたが、普通の屈折語は、全ての名詞にわたって、このように変化します。

この「所有格」「目的格」などのひとつひとつを「格 かく」と呼び、またこの形、語尾の違いのことを「格変化」といいます。(サンスクリット、また一般の屈折語では、現在
「所有格」「目的格」とは言わず、別の用語があります)

(中略) 

英語には、かつてこの「格」が4種類ありました。ドイツ語を習ったことがおあり方にはお馴染みと思いますが、現在のドイツ語にも4つあります。
サンスクリットには、この「格」が、なんと8つもあります。
ドイツ語の格変化で苦しんだ方には、めまいと吐き気がする(笑)話しかもしれません。
  
同じ印欧語族で、サンスクリットとも関係が深い、古典語に属するラテン語で6つ、古典ギリシア語でも5つしかありません。
  
もともと印欧語族の格変化は8つが基本だったのが、時代とともに、だんだん、格と格が混ざってしまい、減っていく傾向があったのです。
その中で、サンスクリットは、古来の8つの格をいまだに保っている稀有な言語と言えます。
これは、サンスクリットが日常使用される言語というよりも(もちろん、サンスクリットを日常、読み書き話し聞くことができる人は今でも存在します)、雅語として、ある時期に文法事項を規定し、それを規範にしてきたことによります。そのために時代による変化を蒙らずに済んだのです。
(ある時期、というのは紀元前5〜4世紀、パーニニという文法家によってです。日本では縄文時代です。こんな時代から、サンスクリットは現在までほとんど形を変えず、その形態を保っているのです)

「サンスクリット」という名前自体が「完成された、完璧に作られた、高度に精巧に作った、人工の、洗練された言語」などを意味する 「saMskRta サムスクリタ」という単語から来ている言葉なのです。
  
以下、略
-----------------------------------------------------------------
各言語は基本的に簡略・簡素化の方向に変化している。何故か?
侵略した相手に、自分達の言語をより早く広めるためか?
 
 
  この記事は 245672 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_246036

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp