実現論を塗り重ねてゆく
244925 インドの民族の形成過程について
 
田野健 HP ( 50 設計業 ) 11/01/31 PM00 【印刷用へ
インド民族の形成過程についてこの間、投稿されてきたたY染色体の分析を踏まえて以前の投稿を補足、推測していきたい。

【土着民〜H系統・O系統】
インドに最初に到達した人種はH系統であり、インダス流域から、南インドまで広く分布していたと思われる。H系統は現在でもインドにしか存在せず、原インド人と想定して間違いない。この系統はスンダランドまでいかずにインドで適応した原モンゴロイドである。
その後1万4千年前から始まるスンダランドの水没が契機でO2bがインド東部のガンジス川流域に入ってくる。インドは東と西で大河が2つある為、H系統と混在することなくそれぞれが地域で定着していった。

【渡来系支配族〜L系統・R系統】
5000年前にインダス川流域でインダス文明が始まるが、突然完成された都市計画と農耕技術を持った文明が登場したことから、既に別の地域で文明社会を形成していた一派が流れ込んできた事は明らかである。文字、印章を持ったスタイルや煉瓦を用いた都市の作り方、言語形態から見てシュメール人と同種である可能性が高く、メソポタミア文明が形成されてから1000年後にインダス文明は作られている。

インダス文明を作った彼らをドラビダ人と呼んでいるが、この人種(L系統)は西方から来ており、Y遺伝子の流れを見ていくと地中海でFから分派したK系統の分派がL系統になり、メソポタミアを経由してインドに辿りついた可能性が高い。そう考えると出自が全くわからないシュメール人も同様にギリシャ辺りに先住した地中海先住民の由来であることが判る。インドがその後の歴史の中で哲学の発生時期にギリシャと繋がっていくが、これはドラビダ人の形成過程と無縁ではないだろう。

以前の投稿にドラビダ人の地中海説を唱えている論説を紹介している。
>今日の南インドには、形質人類学上、地中海型の特質をもつものが多いことなどから、地中海地方にドラヴィダ人の人種的な淵源を求める説もある。241271

但しシュメール人がどの時期で来たのかは明らかになっておらず、メソポタミアで原シュメール人(地中海のK系統)が現地人と混血して形成されたのがシュメール人だとしたら、インドでドラビダ人になった民族はシュメール人になる前の原シュメール人である可能性もある。同様に原シュメール人はイラン高原でも現地人と混血し、エラム文明を作り出している。
こうしてドラビダ人は原シュメール人(L系統)と土着のインド人(H系統)によって混血し形成されていったのではないか?ドラビダ人はその後印欧語族であるR系統によって支配されるが、それでもカーストの中にドラビダ人は一定程度、混在している。これは印欧語族の支配が完全な略奪支配ではない事を示している。

【後発の混入部族 J系統、F系統】
その他の民族として、インドの西側にJ系統が存在するが、J系統はセム族の一派であり、これはその後イスラム勢力によって支配されたムガール帝国の時代に入り込んできた人たちであろう。

また、北インドにはF系統が分布するが、これは2000年前のギリシャとの交流で人が流れ来た事を示しており、先に書いたドラビダ人の地中海発祥と無関係ではないように思える。

【日本と近似した民族混在国家】
インドはこうしてH、O2b、L、R1、R2、J2,FとY染色体による民族分布は多様に混在しており、その分布の多様性だけを見ても日本とインドは世界でも珍しい人種の坩堝であることが判る。異なるのはその一派に西洋を支配している印欧語族のR系統が存在している事である。インド人に本源性と強烈な私権性を同時に見るのはこのRの存在が影響しているのだろう。

参考:Y染色体から見るインドの部族移動の経緯244675
   インドのY遺伝子分布(基礎情報)244441   
   Y染色体亜型分類の系統樹244518
   インダス文明とはなにか244546
   インダス文明(誰が担ったのか)242520
   ドラヴィダ人はシュメール人とどの民族の混血か?241403
 
 
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