実現論を塗り重ねてゆく
242382 印欧語族の形成(中間整理)
 
小西良明 ( 会社員 ) 10/12/18 AM03 【印刷用へ
・1万年前
ユーラシア大陸南部の湿潤地帯で農業が始まり、西アジア〜イラン・イラク辺りの草原地帯では牧畜が始まる。この時点での牧畜は農耕と密接に関わっており、オアシス等によく見られることから「オアシス型牧畜民」と呼ばれる。(241168)

・6400〜6000年前
黒海、カスピ海、アラル海、ボルガ河流域〜カザフ草原周辺で「印欧人」(印欧語族の原型)が遊牧生活を営んでいた。印欧人は白色人種と推定され、もともと西方系(→ゲルマン人)と東方系(→アーリア人)に大きく分かれていた。(241729)
また、この時期に馬の家畜化が始まる。

・5700年前
大規模な群れの管理と、青銅器を使った馬具の発達により、農耕民から自立的に存在できる遊牧民(「ステップ遊牧民」)が登場した。(241168)
そして気候の寒冷化、乾燥化に伴って遊牧系原白人が南下を開始した。

・5000年前
当時11部族に分裂していた印欧語族のうち、ルウィ族が最も早い時期に移動を始めた。南ロシアから黒海東岸〜カフカス山地の西部の峠を越えて南下したが、フルリ人とアッシリア人の抵抗に遭い、西南(小アジア)に向かった。(241773)

・4200年前
寒冷化を契機として印欧語族の大規模移動が再び起こった。遊牧民が農耕民を襲うようになったのはこの頃からと言われる。(241168)

・4000年前
別の印欧語族であるヒッタイト族がルウィ族の軌跡を辿って南下し、小アジアでルウィ族と闘争した。ヒッタイト族が勝利した後、ルウィ族の一部と原住民のハッティ族を従えてハッティ王国を建てた。
敗走したルウィ族はエーゲ海に達してアルツァワ国を建設。更に海に出てエーゲ海の島々やギリシャ本土にも活発な殖民活動を行った。(241773)
→アカイア人、イオニア人のギリシャ侵略へ。

※印欧語族の基となる、印欧祖語を話す部族は9000年前に小アジアにいたという説(アナトリア仮説)と、6000年前に黒海・カスピ海北方にいたという説(クルガン仮説)がある。前者は小アジアから農業の伝播と共に印欧語が広まったという説で、後者は南ロシアのクルガン(墳丘墓)文化の伝播を言語学と結びつけたもの。(詳しくはリンク

☆「原白人の起源(中間整理)」(242306)と合わせて考えれば、8500年前のスカンジナビア分断で東方、南方に進路を変えた原白人の一部がヴォルガ河を下ってアラル海〜黒海流域に至ったのではないかと推測される。これが印欧語族の原型で、ステップ地域で遊牧民化した後、気候の寒冷化・乾燥化に従って段階的に南下(→コーカサス侵入、メソポタミア侵入)していった。

☆6000年〜5000年の間に印欧人が11部族にまで分裂したのは、放牧技術と青銅器文化の発達に伴い、農耕集団(母集団)から離れて生活できるようになったことが主要因なのではないか。私権意識が芽生えたとすればこの頃で、後に農耕民を襲ったり、ルウィ族とヒッタイト族が戦闘に至っていることがその証左となる。
 
 
 
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