日本人の起源(縄文・弥生・大和)
239590 為替が変動する要因・・・70円/ドルでもおかしくない
 
小暮 勇午 ( 33 路上人 ) 10/10/19 AM08 【印刷用へ
為替が変動する要因は大きく4つある。

@経常収支(貿易収支)

経常収支(貿易収支)が黒字の国は、製品を売って得た外貨を自国通貨に換える必要があるため、自国通貨の価値が上がっていく。

例えば、日本の輸出企業が自動車をアメリカに輸出してドルを得た場合、ドルのままでは使えないので、ドルを売って円を買う。この時、為替は「円高ドル安」に動いていくことになる。

しかし、円高が続くと、(輸出先の)現地に工場を建てて、現地の人間を雇い、現地で生産したほうが安上がりになり、また輸出先との貿易摩擦を回避できるため、工場を海外移転する企業が増えている。この為、経常黒字(貿易黒字)による円高ドル安の影響は年々小さくなっている。

A購買力の差

為替レートの変動によって、各国通貨ごとの購買力に差が出ると、それを平準化させようとする方向で、レートが動く。

例えば、ここに100円のハンバーガーが一つあったとする。1ドル=100円ならば、アメリカでは1ドルで購入することが可能。
しかし、1ドル=120円なら、日本では100円のものがアメリカでは(1ドル=)120円出さないと買えない。この場合、ドルの価値が下がり(円の価値が上昇し)1ドル=100円に戻ろうとする。

1994年当時、1ドル=100円であったが、90年代後半から現在に至るまで、アメリカは2%程度のインフレであり、日本は1%程度のデフレであった。これは、物に対する通貨の価値が、アメリカでは下がり、日本では上がってきたことを意味している。
つまり、1994年当時はハンバーガーが1ドル=100円で買えたとすると、15年経つとアメリカでは1.3ドル出さないと買えない、日本では85円程度にまで値下がりすることになる。つまり1.3ドル=85円→1ドル=65.4円でもおかしくないことになる。

B金利差

上記二つは、実体経済が及ぼす為替レートへの影響だが、これ以上に大きな影響を持つと言われているのが、投機マネーであり、主に金利差によって投機先が決まる。(実体:投機=3:7)

1995年から2008年のリーマンショックまで、日米で5%程度の金利差が存在し続けた。少しでも利ざやを稼ごうとするファンドは、低金利の日本で借りて、高金利のアメリカで運用してきた。日本の金融市場で資金を調達して、その円をドルに換え(円売りドル買い→円安ドル高)、ドルをアメリカの金融市場に投資してきた。

リーマンショック以降は、アメリカを初めとする先進各国が、国債リスク(≒財政破綻リスク)を回避するために低金利政策を取ってきたため、日米の金利差は大幅に縮小する。今までアメリカの高金利→日米の金利差に支えられて、(円で借りて、ドルに)投資してきたファンドが、ポジションを解消する必要に迫られた。つまり、今までと逆の動き、すなわちドル債を売って→手に入れたドルを円に換え(ドル売り円買い→円高ドル安)→円での投資運用先を探し始めている。

※ここで、円から他の通貨に乗り換える動きがそれほど活発化しないのは、20年に亙る低成長期を乗り切った円への信用が高いことを意味している。

C為替介入

先進各国による低金利政策(→ドル・ユーロ通貨安)によって、日本円は強力な円高圧力を受けていることになる。輸出系企業に大きなダメージを与える円高に対して、日本政府も為替介入を行ってきたが、効果がほとんど見られない。

1995年に超円高(一時、79.75円/ドル)に突入したときは、為替介入の効果があったと言われている。現在と何が違うのか

【1995年4月】            【2010年9月】
79.75円/ドル    最高値      82.87円/ドル
10.3兆円   市場規模(一日当り)  17.6兆円
7.0兆円      介入規模      2.1兆円
1.00%     日本の政策金利     0.10%
6.00%     米国の政策金利     0〜0.25%

市場規模が1.7倍に膨らんでいるにも関わらず、1/3以下の介入しか行っていない。しかも、今回は日本の単独介入。また1995年は、日米の金利差が開いていたため、円高に伴って、円をドルに買えて投資運用するものが増加。1ドル=100円台にまで戻っていった。それでも、最高値を付けた後、100円台に戻ったのは5ヵ月後であった。

●ドルを買い、円を売る要素が無い

2008年に世界経済バブルがはじけるまでは、日本や中国、ドイツといった輸出国がひたすら経常黒字を拡大して、アメリカが経常赤字を拡大させていった。このアメリカの借金を、黒字国が買い支えてきた。アメリカに集中したマネーは、住宅バブル、債券バブルを引き起こし、世界中がその債券を買おうとするので、ドル高がさらに進行、アメリカは強いドルで他国の製品を買うので、ますます経常赤字が拡大していった。

2008年のバブル崩壊以降は、上記の流れと逆方向に動いている。すなわち、アメリカの経常赤字が縮小し、同時に日本の経常黒字も縮小。また、アメリカ債券市場に流入してきたマネーが離れていくため、一方的に「円高ドル安」が進んでいく。
 
 
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