日本を守るのに、右も左もない
236158 日本の国債はどうなるのか?(3) 国家財政を市場が監視する構造
 
小暮 勇午 ( 32 路上人 ) 10/08/13 PM08 【印刷用へ
1995年以降、世界的にマネー経済が急拡大する中で、様々な金融商品が開発されては消えていった。全世界的にマネー経済の規模が拡大する中で、「今はまだ価値が顕在化していない商品を買って、高値になったときに売る」という手法のウラで、「今はまだリスクが顕在化していない商品を買って、売り抜ける」という手法が広がっていった。リスク隠蔽型の金融商品である。バブルは必ず崩壊するが(227714)、サブプライムローン関連証券のようなリスク隠蔽型の金融商品の場合は、リスクを他人に押し付けていることになる。押し付けられ、たらい回しにされていったリスクは、バブルが崩壊し連鎖金融危機が顕在化した途端に、政府がその穴埋めに奔走することになる。世界を駆け巡ったリスクは、最後は政府の発行する国債に蓄積して行っているのだ。

金融市場が自らの儲けの為に作り出したリスクの隠蔽を、最終的には政府が国債を発行することで引き受けているのだが、国債に回されたリスクの評価もまた金融市場が行っていることになる。「どこの国家を破産させるか」もまた金融市場が決めているのだ。およそ社会を統合することなど出来ない市場が、国家の命運を決定する立場に立っている。

「日本国債は、暴落するのか?」を巡っては、「暴落の可能性は無い。もっと発行するべきだ」という識者もいれば、「暴落の可能性はある。抜本的な手を打つべきだ」という識者もいる。(消費税5%UPに何の意味も無いことについては、共通している)
日本国債という問題について、これだけ議論が分かれるのも、「市場がどう出てくるか」については、何とも言えないからだ。

今や国家の財政運営は、国民の共認ではなく、市場に委ねられている。そうなるのも、流通する紙幣は中央銀行が国家の債務を元にして刷っているからだ。政府債務の信用と、その国の紙幣の信用は完全に連動している。
国債が置かれているこの不安定な状況は、国家財政が市場の支配の下にあることを示しており、これら全体の構造は(負債からマネーを生み出す)中央銀行制度が作り出している。つまり、国債問題とは、中央銀行制度をどうするかという問題と表裏一体の問題であって、制度的な解決無しには国債問題に答えは出ないのである。
 
 
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