法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
234377 明治の急激な中央集権化に伴う官僚不足と、その促成栽培が、その後の官僚制度の弊害を生み出した
 
山田孝治 ( 37 デザイナー ) 10/07/08 PM09 【印刷用へ
欧米列強と肩を並べる近代国家を建設する為に、明治新政府はこれまでの幕藩体制下での地方分権的な国家体制から、強力な中央集権制へと急転換を図ります。

その為、これまで藩や地域共同体が、地方単位で担っていた統合課題を中央で一括運営する事となります。

強力な中央集権国家を作る為に、中央に膨大な数の官僚を必要としました。
当然、明治新政府は出だしからいきなり人手不足、官僚不足に陥ります。

この状況を解決するためには、「試験」によって優秀な人材を選抜し、彼らに短期間で新たな国家制度の運営技術をたたき込む必要が有ります。
その為には組織や制度を細分化し、個々人に特定分野を専門的にたたき込む方が効率がよい。
官僚が専門分化の果てに国家の全体統合の視点を欠いた専門技術者となってしまった、といった弊害は、この時期にその源泉を見ることが出来ます。

しかし言うまでもなくこうした「分化」だけでは組織は進化しません。
「統合」と「分化」、この二つの要素が両輪となってはじめて外圧に対する適応体として機能します。

明治初期には、江戸時代の教育を受け、そして維新の動乱をくぐり抜ける中で国際的、国家統合的視点を身につけた政治家や軍人も多くいました。
かれらが、専門分化した新規の官僚の上に立ち、文字通り「統合」を担っていたからこそ、明治初期の国家は十全に機能していたのではないでしょうか。
官僚が暴走をはじめるのは、こうした「幕末維新の志士」世代が去ってからです。

維新による急速な中央集権化と、それを担う官僚の促成栽培。
その為に効率だけを重視した官僚の専門分化教育。

現在に繋がる狭隘な官僚的思考と統合的視点の欠落といった諸問題の元凶を、ここに見ることが出来ます。
同時に、「統合」的視点を身につけていた志士上がりの政治家は、江戸期にどのような教育を受けていたのか。
ここにも現在の官僚制度の問題を解く鍵があるように思います。
 
 
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