恋愛って、何?結婚って、何?
23208 「恋愛」「愛」
 
岩井裕介 ( 29 再開発プランナー ) 02/02/06 PM11 【印刷用へ
明治の日本では、「恋愛」も「愛」もほとんど同義で、両方とも、西洋発の実態の伴わない(純粋)「観念」だったのではないかと思います。

「恋愛」という語は、翻訳の専門家の柳父章によれば、英語 love 仏語 amour などの翻訳語として一世紀ほどまえに作られた概念であるとのことで、また、love に対応するものとしては、色、恋、情などの既存の日本語が適切でなく、それゆえ、恋愛という翻訳語を作らざるをえなかったと言われています。

例えば、明治期における翻訳語「恋愛」の用法としてよく例に引かれる『女学雑誌』で、厳本善治は翻訳小説「谷間の姫百合」を批評して次のように述べています。 (明治二十三年)

「・・・訳者がラーブ(戀愛)の情を最も清く正しく訳出し、此の不潔に富める日本通俗の文字を、甚はだ潔ぎよく使用せられたるの手ぎはにあり。」
「日本の男子が女性に戀愛するはホンノ皮肉の外にて、深く魂(ソウル)より愛するなどの事なく、随つてかゝる文字を最も厳粛に使用したる遺伝少なし。」

つまり不潔な日本通俗の恋は、純粋で高尚な西欧型恋愛loveに対応しないということであり、また、愛についての言説はしばしば二元論(真実の愛・虚偽の愛)の形態をとるが、神聖な愛(真の愛)として措定されたのは常に西欧型恋愛であったということからも、その観念論的な側面が推測できると思います。
 
 
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