企業を共同体化するには?
231926 異色の経営で成長するメガネチェーン「21」(広島市)
 
大西敏博 ( 50歳代 会社員 ) 10/05/20 AM00 【印刷用へ
総務、人事、広報、経理などの部門を置かず、数人が最低限の事務作業を兼務してこなす。利益はすべて商品の値下げと社員への給与で還元している。

大阪日日新聞「スクランブル」より

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▽ノルマ、管理職なし
 「21」の創業は1986年。経営方針をめぐる対立で、地元のメガネ店を解雇された社員4人が共同出資してつくった。創業メンバーの平本清相談役(60)は「1年目から競合他社の攻撃を受け、破綻寸前まで追い詰められた」と振り返る。

 顧客の支えで何とか危機を乗り越えた経験から「徹底的な効率主義」が刻み込まれたという。

 ノルマや管理職は「顧客のためのものではない」として設けず、全社員の給与・賞与から人事評価まで、あらゆる情報を社内イントラネットに掲示し、全員で共有。不動産取得や開発商品などの重要決定も稟議書や会議抜きで、全社員が掲示板で意見を出し合いながら決める。無駄はない。

 徹底したコスト削減を通じて価格で顧客に還元。一方、地方の中小企業としては好待遇だ。パート・アルバイトは時給1330〜1520円。社員からの資金借り入れに対し、年4%の利息を支払う。会社が苦しい時期に資金協力した社員には同10%で報いた。

▽社員の邪魔をせず
 権力の集中を防ぎため社長は4年交代。年収は最も稼いだ社員とほぼ同額で1千万円が上限、社長室はない。「稼ぐ社員が最も偉い。社長の仕事は稼ぐ社員の邪魔をしないことだ」と言う平本氏自身、社長にならなかった。「何でもやってしまうあなたが、後輩の成長を阻害している」。2004年、54歳だった平岡氏は周囲の直言を受けた。翌日、平本氏は経営から引退し、1人でもできる商品開発に移った。

 「21」は広島の本部が10%のみを出資する別会社を各地に設立している。仕入れも給与配分も独自で行う、独立採算制。地域の独自性を引き出すための工夫だ。フランチャイズ店の加盟手数料は売上高のわずか1%。大上博己取締役は「広島の業績が落ちれば、本部機能さえ移転する」と言い切る。

 メガネ業界はレンズ・フレーム一式で1万5千円前後の価格帯での競争が激化。大手の苦戦も目立つ中、「21」は主力商品を1万3千円台から投入している。

 グループ全体では、「21」の看板を掲げず商品だけ供給する店舗も含め、東京から沖縄を中心に約130店を展開、10年間で40店程度増加した。09年2月期の売上高は83億円となった。

 平本氏は現在、「眼鏡経営塾」を開き、「21」の経営ノウハウを同業他社に指導している。「社員のやる気を引き出すよりも、やる気をそぐ要因を排除することに注意を払うべきだ」と熱弁を振るっている。

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