素人による創造
231244 ”考えない日本人”のこれからの可能性はどこにあるか?
 
田野健 HP ( 49 設計業 ) 10/05/06 PM07 【印刷用へ
先に紹介した岡本さんの投稿の中で、舶来信仰の中身と出所が押さえられていますが、その本質は縄文時代1万年間の間に断続的に流れてきた渡来民、漂着民の受け入れの歴史です。

日本列島の地理的特徴は大陸の東の最果てという場所でかつ島国であるという特徴です。
縄文人は長い年月を通じて戦闘の意思を持たない渡来民を受け入れてきています。そして彼らから少なからず大陸の文化や知識、情報を入手してきました。舶来信仰の中身とは外から来る人・モノ・情報を全て肯定的にまずは受け入れるという積極性であり、警戒心のなさであり、好奇心の強さでもあります。この時代、中国での文化は一歩も2歩も進んでいます。それらの受け取りを繰り返すうちに大陸文化=得がたいものというように舶来志向は舶来信仰へと上昇していきます。

さらに舶来化に拍車をかけたのが縄文人の贈与体質です。良い物は進んで受け入れて回りに与えていく。その事によって舶来の品々や情報はあっという間に広がっていきます。すでに縄文時代晩期に形成されていた贈与ネットワークを通じて大陸の情報は大衆レベルであっという間に伝播して言ったのだと思います。

この間、縄文人は何を考えたのでしょうか?日本人は何を考えたのでしょうか?
いかに進んで舶来のよいものを取り入れ、真似をし、伝えていくか。一歩でも一時でも早くそれらを取り入れたものが優位に立つ。その繰り返しで、日本をどうする?とか日本とは何か?などを正面から考える事はなかったのではないかと思います。幕末の攘夷思想がそれに相当しますが、それとて、所詮縄張り争いの道具に過ぎません。第2次大戦の国家戦略にしても海軍と陸軍の縄張り争いに終始し、本当の敵(アメリカ)に対してどうする?は誰もまともに考えていませんでした。だから信じられないような戦局で壊滅的な敗戦をしました。

その意味では日本人は、所属する集団をどうすると考えるのが限界で、縄文時代の集団統合観念を時々に適用させていたに過ぎないと思います。
何か事あれば受け入れ体質―舶来信仰で国家間の外圧に対峙してきた日本は、一度も本気で「どうする?」を考えた事がない稀有な民族かもしれません。

これまで一度も”考えた事がない”日本人。これからの四回目の変化はもう真似る対象がいません。その意味ではここで初めて考える必要に迫られた状況が登場しました。ひとつの可能性として岡本さんの投稿の最後の部分を紹介しておきたいと思います。

>受け入れ体質の奥にあるどれだけ受け入れても決して変らない強いものがあるのではないかと思うのです。(36228

 「変わらない強いもの」の究極の正体は、現在『社会統合』で議論されているところの、様々な外圧に対する“当事者意識”が長く残存したことではないでしょうか。社会圧力=私権闘争圧力に関してのみは当事者ではなかったでしょうが、それ以外の自然圧力、村内のもめ事、隣接する村とのいざこざなどあらゆることを自分たちで解決する(支配者層は関知しない)自治権を持っていたことが大きいと思われます。勿論、村(集団)内は本源共認が残存していたことが前提になります。
 縄文人の本源性解明が“当事者論”とつながる予感がしています。36722

岡本さんのこれらのヒントも加えながら”考えない日本人”はどのようにすれば「考える日本人」に変わっていけるか?をこれから考えていきたいと思います。私にはこの日本の「舶来信仰」の歴史を識り、四回目はないという事で覚悟を決めるところから始まるように思います。
その為に必要なのが「受け取る」日本人がこれまでしてこなかった「発信」にあるのだと思います。
 
 
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