試験・身分制度の根深い害
226050 日本の銀行も優秀ではなく、運が良かっただけ
 
野田雄二 ( 48 営業 ) 10/02/07 PM07 【印刷用へ
官僚とは元々優秀でもなんでもない、運がよかっただけという、川村渇真氏の「知性の泉」の記事が紹介されていました。日本の高度経済成長が実現したのは、日本の官僚が優秀だったからではなく、たまたま市場が拡大する時期であり、先行するアメリカの真似をすれば良かったからだそうです。リンク

同じようなことが日本の銀行にも言えそうです。日本の経済界のトップに立ち、高度経済成長を実現したのが日本の銀行だというイメージがありますが、どうやらこれも作り話だったようです。

高度経済成長の時代は、護送船団方式に守られて、国策銀行にしたがって融資をしてきただけで、企業の経営を把握し指導するような能力はたいして身につけていなかったのです。

高度な融資審査の能力を高いコストを払って獲得するよりも、国と癒着して国の方針をいち早く把握することの方が業績の拡大に大きく寄与しました。

銀行では現場で企業に融資する部署よりも、MOF担と呼ばれる大蔵省から情報を引き出してくる部署の人が出世して、経営者になっていきました。

バブル崩壊時に、膨大な不良債権を抱えた原因も、高度経済成長期が終わり、トヨタなどの優良大企業が銀行からお金を借りなくなり、今まであまり貸し出した経験が無い不動産、建設、流通などの産業に進出し、審査能力が無いので不動産担保融資に頼った結果です。

現在問題になっている、中小企業への貸しはがしの問題も、審査能力が無いから景気が悪くなると不安になり、技術力や企業の将来性に関係なく借金を回収して、国債などの審査能力が無くても安全な投資先に資金を振り替えている行動です。

また、金融商品の開発についても、日本で新商品が開発されたことなど聞いたことが無く、アメリカのものまねばかりです。アメリカで開発された金融商品には大きな問題もありますが、新しい商品を開発する能力が日本の銀行に無かったいうのは間違いの無い事実です。

銀行は大衆の貯金を集めて将来性のある企業に投資することで、産業を育成するのが目的であるという説明を聞いたことがありますが、現実は産業の育成など二義的であり、目先の利益追求が第一であることは明らかなようです。

有能か無能かの分かれ目は、人の役に立つために頭を使うか、自分の利益のためだけに頭を使うかです。銀行は一貫して自分の利益のためだけに頭を使ってきたために、楽して儲かる国との癒着にエネルギーをかけ、本当に社会の役に立つ、産業を育てる能力は磨いて来なかったのです。

■参考にした情報
東京大学経済学部 武田晴人研究室 銀行の審査能力と持株会社の可能性リンク

日本の銀行は審査能力が低いのですか?リンク

東京大学社会科学研究所 第20回プロジェクト・セミナー「過剰債務問題とバランスシート調整」リンク リンク リンク

船田元「日本をよくする本」リンク第二部 経済・社会を変える 第六章 市場原理を第一にする バブルと金融空洞化を生んだ行政リンク
 
 
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