暴走する悪徳エリートの所業
221763 国債の歴史:17世紀末、中央銀行とセットで開始
 
井上宏 ( 40代 建築コンサル ) 09/12/12 AM05 【印刷用へ
国の借金として累積し続ける国債。この国債はいつどのような状況で始まったのだろうか?
今後の国債に代わる制度を考える上でも、押さえておく必要があると思い調べてみたものです。

「国債の歴史」 リンク より
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私的な借金が紀元前から行われていたのに対して、国の借金の歴史はきわめて新しい。
 戦争の勃発によって支出の増加が突如として起きるので、中世以前の国王は、平時に財宝を蓄え、戦争に際しては戦後に戦利品を分配するという方法で戦費を調達していた。ヨーロッパの国王たちは、13世紀半ばまでに借金を始めていた。戦争を行い、威信も保たねばならない国王は、たいていの場合困窮していたと見られ、借金の担保には王冠に留まらず、将来にわたってキャッシュフローを生み出す王領地、官職、徴税請負権などをあてた。
 商人への請求権は速やかに行使できたのに対して、国王が開く法廷で債権者が国王に請求権を行使することは困難であった。とくに、王位継承の際にはデフォルトが頻発した。このため、商人たちは国王への貸出には商品向け貸出よりも高い金利を求めた。

 すでに12世紀半ばのイタリア都市国家では、戦争などの一時的な支出をまかなうために、議会は借金の元利支払のために将来の税収を担保に入れていた。例えば、ジェノバ共和国では議会から徴税権の預託を受けたシンジケートが、出資証券を発行していた。また、13世紀半ばには、ドゥエーやカレーで関税や物品税を担保に債券を発行し、国王に上納していたことが知られている。

 イギリスでは、名誉革命でホラントのオレンジ公ウィリアムが国王に即位した。翌年の権利章典で課税には議会の承認が必要であることなど、議会による王権の制限が強化され、立憲政治の基礎が定められた。そして、国債の発行に際しては、将来にわたる利払いを担保する恒久税が創設された。ここに国王の私債の時代が終わり、国債の時代が始まった。
 国債を発行するごとに、その利子と新たな恒久税とを一対一に対応させたことによって、国債の信用が定着しはじめた。そして、国債の金利は、ウィリアムV世治下の10%から、二つの戦争を経てハノーバー朝が始まる1714年には6%前後にまで低下した。
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(引用以上)

この国債発行とセットで創設された恒久税とはトン税と物品税で、なんとイングランド銀行もこの法律の中に盛り込まれて誕生している。

>1694年には、九年戦争の財源調達法(トン税法)が成立し、150万ポンドを政府に融資する者に、一定額の利子と手数料の支払をトン税と新規の物品税によって保証した。イングランド銀行の創設は、この法律の第19条に盛り込まれた。『国債の歴史』より

(このウィリアムV世は着任早々、フランスと九年戦争(1688〜1697年)を開始している。より恒久的に戦費を調達できる方法がこの時期に生み出されたことになる。)

★ポイントは、
・国債は、中央銀行制度とセットで始まっており、恐らく国民から戦費収奪のために行われた。
・とりわけ重要なのは、特に国債の利払いに対応させて、恒久税を創設していること。つまりほぼ原価ゼロの紙幣発行代として利子が中央銀行に支払われる仕組みで、そこに税金が当てられるようになった。国王の私債から、国民が生み出す生産力から恒久的に掠め取る方法に転換している。

※アメリカのFRBも、所得税法とセットで始まっており、創設後すぐに第一次大戦が始まっている。
 
 
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