日本人と縄文体質
215169 【縄文の可能性】日本文明が生き続けてきた5つの理由
 
田野健 HP ( 48 設計業 ) 09/09/16 PM11 【印刷用へ
縄文塾の中村忠之氏の「縄文への道」〜森と人の地球史リンクに日本文明が生き残り続けてきた理由が箇条書きでまとめられています。
これも今後の日本人の可能性を考えていく上で参考にしていきたい内容です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
多くの文明が滅んだ中で、ではなぜ日本だけで文明が継続してきたのだろうか。安田喜憲『縄文文明の環境』が、メソポタミア・ナイル・インダス・黄河という四つの古代文明に、7000年前の水田遺跡が発見された長江文明と、三内丸山に代表される縄文文明を加えた「六大文明説」を紹介していると述べた。ところがこの文明発祥の地は、日本を除いてすべて滅亡してしまった。ではその中でなぜ日本文明のみが現代まで生き続けて来たのか。

 1つは、「文明の滅亡は森の喪失である」という歴史的検証から見てとれる。ジョン・パーリン『森と文明』は、すべての文明発祥の地が、森を開くことで興き、森が失われることで滅んでいったと述べた。それに反して日本は、多くの僥倖に恵まれその衰弱を指摘されながらも「文明国中、いまだに国土の約70%に及ぶ森林を保持している唯一つの国」である。その上日本は豊かな森の贈り物として、他の文明発祥の地にみられる大河が存在しない代わりに、涸れることのない小河川が無数にあり、その流域に興きた小文明の流れが、流れ集まって大きな日本文明という滔々とした流れになったため、そのすべてが涸れることがなかったのある。

 2つ目として、堺屋太一『日本とは何か』が指摘するように「攻めるに遠く、文明の吸収の妨げにはならない」という、日本の恵まれた地政学的立地とその地勢が挙げられる。日本はそうしたメリットを最大限に利用して貪欲にその吸収に努め、且つ享受出来た稀有の国だった。しかもわれわれの先祖は、不要な有害なものは惜しげもなく棄て去り、欲しいものだけを選別して積極的に導入することで、ただちに自家薬籠中のものとして見事にニホンナイズしてきたのである。

 3つ目は、縄文×弥生というすぐれた2つの資質を結集した「ハイブリッド資質」と併せ、つねに新しい文明に学びそれを取り入れるという柔軟な姿勢によって、絶えず民族的進化を繰り返してきたことである。

 4つ目には、日本においては常にそうした知識・技術・技法などが、好奇心と知識欲の旺盛な一般大衆にまで及び、またその資質が常により高いものを求める向上心を培っていくことで、細部にそして底辺まで浸透して構成されてきたことである。一方他の文明では、ほとんどその知識が王・貴族・神官・学者などひとにぎりの支配者層の所有物に限定されており、一般大衆はその恩恵にも習得にも無縁の存在であった。そのため王朝が滅んだ際、文明無一物の状態、すなわち野蛮の域に後戻りしていったのである。

 5つ目として特に加えて強調したいのは、「平時(治世)には弥生的資質〜和を重んじ安定・秩序に優れた手腕を発揮する〜が表面に現れ、それが形骸化し陳腐化した乱世には、縄文資質〜自由に生き、創造的能力を発揮する〜の発顕によって、「弥生的旧弊パラダイム」をブレークスルーして再生を果たしてきた」という繰り返しの歴史があったことである。

 すなわち日本では、国難の都度硬直化した規律型弥生(資質)から、柔軟な創造的破壊を得意とする縄文(資質)へと、あたかも毛虫から蛹にそして蝶にとあざやかに蛻変するように、再生をはかってきたのである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上ーーーー

さらに簡単に箇条書きにしておく。
1.豊穣な森と山岳地形による小川の形成
2.大陸と海を介して位置する地政学的優位性
  大陸の東の果てに存在する文化的終着点
3.多文化を取り込む柔軟性とそれによって形成された多面性
4.取り込んだ認識、知識は支配者だけに留まらず大衆にまで拡大した。
5.外圧の状況によって使い分ける弥生的資質と縄文的資質。

ただ、氏が提起した5番目の縄文資質であるところの自由と創造性の発揮は誤解を生みやすいので少し私なりに意見を加えておきたい。
「縄文的共同性の上に弥生的農耕勤勉資質が塗り重ねられ、強固な集団性を維持した。また、縄文的自然眼の上に弥生的技術が塗り重ねられ、工夫創造し取り込む日本独自の技術力が形成された。」

そして現在、中村氏が言うように乱世に変化を取り込んで新しいものを作り出す縄文的資質が作動しているのは実感からしても明らかなように思う。
 
 
  この記事は 215167 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_215169

 この記事に対する返信とトラックバック
「日本人は闘えるのか?」?〜日本人の特性(外国人から見た日本と日本人) 「縄文と古代文明を探求しよう!」 09/10/05 PM00
企画展紹介「縄文の躍動〜海と生きた人々の文化〜」 「縄文と古代文明を探求しよう!」 09/10/01 PM09

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp