国家の支配構造と私権原理
209266 江戸時代には村落共同体そのものが統合機能を担っていたA
 
加賀見香苗 ( 23 会社員 ) 09/06/21 PM03 【印刷用へ
〜@(リンク)の続き〜  
「百姓の力 江戸時代から見える日本」渡辺尚志/著(柏書房/刊)より引用

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「巧言利口の者の言説」とは何だったのでしょうか。具体的には、藤乗家の特権に対する村人たちの批判だったものと思われます。藤乗家は、本小轡村を開発(開拓)した家として、同家だけに認められた特権(人足役と所持地への地役銭の免除)をもっていました。17世紀中はそれが問題にされることはありませんでしたが、享保9(1724)年には、村人たちが領主に、藤乗家だけ人足役と地役銭を負担していないのは不公平だと訴えます。
 このときは領主は藤乗家の特権を再確認しましたが、文政9(1826)年以降、またこの問題が再燃しました。そこで、天保元(1830)年、藤乗勘解由は村役人たちに1通の文書を手渡したのです。〜そこには次のように書かれています。
 
(以下、現代語訳)
 藤乗家が地役銭を負担していないことについて、一般の百姓たちは、藤乗家の分まで自分たちが負担するのは迷惑だと、他村の者にまで話しているようです。ここに負担免除の経緯を説明するので、寄合(村人たちの集会)の際、村役人から惣百姓(百姓全員)に言い聞かせてください。
 本小轡村は藤乗家の先祖が拓いた村であり、同家は江戸時代の初期から、代々名主などの役職を務めてきました。その証拠に、職務に関わる大量の文書を所蔵しています。その功績により、昔から人足役や地役銭なども出してこなかったのです。そうした経緯を記した領主の文書の写しを渡しますので、それを村役人から惣百姓に見せて納得させてください。
(現代語訳おわり)

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江戸時代、事実を証明するためのツールとして文書は非常に重要視されていた。上記の史料から、村人たちは村の運営を武士たちの支配に委ねるのでなく、村内の揉め事は自分たちで解決し、共同体の統合を図っていたことがわかる。
日本において江戸時代に識字率が上がったのも、共認形成のために文字を読める・書けることが必要不可欠だったからと考えられる。
 
 
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