もはや学校は終っている
209250 江戸時代の識字率が高かったのは何で?
 
本田真吾 HP ( 壮年 建築家 ) 09/06/21 AM07 【印刷用へ
江戸時代の識字率は、当時の世界の中できわめて高かった。

>成人男性の識字率も幕末には70%を超え、同時期のロンドン(20%)、パリ(10%未満)を遥かに凌ぎ、ロシア人革命家メーチニコフや、トロイア遺跡を発見したドイツ人のシュリーマンらが、驚きを以って書いている。(リンク

識字率向上の表面的な理由として都市部中心の寺子屋の発達があげられる。また、村落部でも読み書き教育は行われ、適切な講師がいない場合では、村で講師を雇ったりしていた。そして彼らは、自主的に読み書き算盤を学んでいた。これが、現在の教育制度と異なるところだ。

何故か?当然必要に駆られてということだろうが、どんな必要があったのか?
 
江戸時代の社会は、武士を中心とした都市部と、村落共同体を中心とした農村部に分かれている。ここには、武士が農村部を支配するといった西洋的な関係は無い。むしろ、武士の農村に対する統合課題を、農村全体で肩代わりしていたという関係にある。

例えば、農村が収める年貢や、村での揉め事の調整などを、都市の武士の文書による指示で、農村の代表者が履行し、それを又文書で報告する、といったことが行われていた。

また、幕府と藩の関係も同じで、幕府が藩から徴税して直接支配していたわけではない。藩の統合は、藩主を中心とした武士(≒官僚)で行われていた。その方向性は、幕府より文書でなされ、藩が履行したのち、それを文書で報告した。

そして、町人もそのような社会の中で、自ら帳簿をつけ経営していた。

このように、江戸時代は、力の原理による支配が主流ではなく、共認原理の方が主流だったのではないか?又その共認が、すでに集団(藩や農村)を超えて、社会という位相に到達していたので、観念(文書や帳簿)による共認を必要としていた。

だから、社会の中で役割を果たすためには観念の習得が不可決になった。その結果、現在の教育のように上から与えられたものではなく、生きていく必要から習得に励んだ。それを実現するために寺子屋は自然発生的にできてきたのではないか?

つまりそれは、社会統合を担うためだったのではないか?
 
 
  この記事は 176898 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_209250

 この記事に対する返信とトラックバック
283174 江戸時代:村名主の観念力〜子孫のために途方もない量の日記を書き続けた 澤根和治 13/11/08 PM08
222281 江戸の教育水準の高さの秘密☆(1) 佐藤祥司 09/12/19 PM11

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp