日本人と縄文体質
202061 インドネシアに於ける過去の経済政策の問題点
 
たっぴ ( 33 会社員 ) 09/03/14 AM00 【印刷用へ
■インドネシア建国の父・スカルノ(参考投稿 201134)
スカルノは「マレーシア構想」の裏にイギリス主導の帝国主義的秩序構築の動きを嗅ぎ取り、断固反対の姿勢を示した。そのマレーシアが安全保障理事会の非常任理事国に選出されるや、「植民地主義の第2の工作によるものであって、理事会を愚弄するものだ」として、スカルノは1965年1月1日付で国連から脱退してしまう。続いてスカルノは、【第2の国連創設を視野に置き、新興国会議構想】をぶち上げ、世界銀行、国際通貨基金(IMF)からの脱退も通告した。
この間、「文化面でのアメリカ主義を粉砕せよ」と呼びかけ、アメリカ企業の接収を進めた。1965年8月には、「ジャカルタ─北京─プノンペン─ハノイ─平壌」反帝枢軸の構築を宣言するに至る。

「マルハエニズム」に示される通り、スカルノはソ連陣営としての社会主義ではなく、アジア民族伝統としての相互扶助的社会主義と民族主義の融合による、新しい国際秩序構築を目指した。

欧米がもたらす近代の政治経済システムの弊害は明白であった。物質至上主義、強者の自由、競争の奨励、少数者の切り捨て、貧富の格差──。スカルノは、こうした西洋近代の問題に対し、アジア的理念による克服を目指していた。

■開発独裁の父−スハルト政権
1965年9月30日事件を契機として初代大統領スカルノは失脚し、スハルト将軍を中心とする【軍部主導型の政権が成立】した。

1968年3月に大統領に就任したスハルトは、スカルノ政権の外交路線を覆し、反共の姿勢を明らかにして西側諸国に接近、規制緩和と開放経済体制を旨とする経済再建策を打ち出した。
スハルト政権は外交面ではアメリカを始めとした西側先進国との関係強化に力を入れる一方、それら諸国との協力を得ての経済開発を重視した為、国連、世界銀行、国際通貨基金(IMF)にも再加盟した。


1.インドネシアの財閥構造
以下、『インドネシアにおける財閥構造の分析』より参考引用
リンク

インドネシアは国も国民(プリブミ)も貧しいが、スハルト大統領と華人(を中心とした財閥は、世界でも有数の富裕層である。「開発の父」と称されたスハルト大統領は、1996年「経済民主主義」を標榜し、経済成長を促進するために自由市場に依存することを提唱したが、同時に富の分配における自由市場の欠陥を認めた。

 スハルトは「開発政治」を標榜しつつ、スハルト自身の財団、ティエン夫人の財団、ファミリィーの財団、クローニーによる財閥、国軍・警察軍による財団方式企業・財閥等の育成に重点を置いてきたためインドネシアの経済は、『プリブミ(民族資本・原住民資本)とノン・プリブミ(華人資本・非原住民)』と言う2種類の資本から成り立っている。アジア各国における有力な財閥は「華人」と呼ばれる中国系の人々によって所有され、経営されている。

インドネシアには、オランダ領時代に入ってきた華人が各地に居住している。その数は約350万人程で、人口の約4%程度であるが、流通経済を始めとし、あらゆる経済分野に進出し、支配的な役割を果している。その殆どが財閥と言う企業集団を通して政府、軍関係に強力な影響力を発揮しているのである。インドネシアにおける財閥は民族系財閥と華人系財閥に分けられるが、スハルト元大統領はプリブミ出身でありながら、華人財閥と組んで個人的大財閥を形成してきた。

スカルノ大統領は、外国企業の接収、華僑の圧迫、内乱の鎮圧等民族主義を全面に押し出した反帝国主義・反植民地闘争を展開した。


2.インドネシアの主要財閥

インドネシアには、財閥或いはコングロマリット(多国籍企業)の形態で30の巨大企業グループがある。その中で民族系企業グループ(プリブミ)は僅か6社に過ぎない。1社はインド系の企業グループである。全体の80%が東南アジア系、特に華人財閥系企業グループ(ノン・プリブミ)によって占められている。30社推定売上高合計約153兆ルピアに対し約91兆ルピア(60%)が上位5社によって占められている。上位5社、即ち、サリム、アストラ、シナル・マス、バリト・パシフィック、リッポ、グダン・ガラム等がインドネシア経済を支配する華人財閥の典型例である。各財閥系企業グループの傘下企業の合計2、596社中1,191社(45%)が上位5社の所有する企業である。

■スハルト政権の最後
スハルト政権は30年の長きにわたって続いたが、1997年にアジア通貨危機が起こって経済が危機に瀕すると国民の不満が爆発、民主化を求める市民の群れは、ジャカルタを中心に暴動に発展し、中華街が暴徒によって破壊されるなど、大混乱に陥った。そのためスハルトは翌1998年に大統領辞任に追い込まれた。

■結論
どこにも支持基盤がなかったスカルノは、協調調整型政治を行った。
対して、グローバリズムを推進する為に開発独裁型政治を推進した軍事政権のスハルト。

植民地からの独立時の指導者スカルノの想いは、元来その国にあったものであり、植民地化されることによって、西欧との違いがより顕在化した。
そして、指導者が目指そうとしたものは、自らが経験した実体験と同類圧力の中で、自国の社会をどのように統合するかという過程の中で、元来あった自国の民族性などを言葉化(観念化)した。

この社会を統合する上でどうするか?をよく考えた東南アジアと異なり、日本はこの自国の置かれている立場を観念化する過程を踏まえていない。寧ろ、東南アジア諸国よりも劣っている。

今後の日本との関係の中で、輸出立国型の関係性だけではあまりにもさもしい。

多くの人々が真剣に日本と東南アジア諸国との補完関係・今後をどうするかということを他国のことを考える上で、自国の置かれている状況を再認識していく必要性がある。
 
 
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