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191873 市場原理に頼らない協働NWによる「農」の可能性
 
浅野雅義 ( 41 不動産 ) 08/11/10 AM02 【印刷用へ
 よく「農業は儲からない」といわれますが。それはなぜなのかという疑問が出てきました。利益が出ないということは再生産が不可能、つまり、事業として継続できないということになります。現在の市場原理に委ねた農産物市場のあり方は何が問題なのか?
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179953「日本の家計消費支出と、食料価格の基本」 春風さん
>○食料価格を構成する主な要素(alic.lin.go.jp/.../images/200803-03-23.gif

(1)輸入原料の場合:
食料品価格=原材料の原産地価格+運賃(海上または航空)+保険料+輸入諸掛り+国内流通経費(運賃+倉庫保管料+諸経費+マージン)+加工費(加工賃(人件費)+燃料・光熱水料+包装資材費+保管料諸経費+マージン)+〔小売段階のコスト+マージン〕

(2)国内原料の場合:
食料品価格=原材料の国内産地価格(生産・収穫に要する労働費+飼料費+肥料費+燃料・光熱水料等ほ場・牧場管理に係る諸経費+マージン)+国内流通経費(運賃+倉庫保管料+諸経費+マージン)+加工費(加工賃(人件費)+燃料・光熱水料+包装資材費+保管料等諸経費+マージン)+〔小売段階のコスト+マージン〕

■農産物価格政策
◇農産物価格政策とは何か?
・定義…農産物の価格形成に政府が直接・間接に介入することによって,その水準・変動を一定の方向へと誘導しようとする政策

・歴史的起源
1930年代の世界恐慌
→各国は輸入の制限・国内市場への介入により農産物価格回復を試みる

日本のおける農産物価格政策の展開

1921年の米穀法(米騒動に対する対応として)
→1931年改訂 1933年米穀統制法 1942年食料管理法

◇農産物価格安定政策と農産物価格支持政策
・農産物価格安定政策
→作柄変動等による価格の暴騰・暴落を防止する政策

介入の根拠→農産物は必需品という点
さらに豊作・凶作の原因の多くは生産者に帰せられない→例えば豊作貧乏

・「価格安定帯制度」
→市場価格を前提とした上で,政府が一定の保障価格帯(上限価格と下限価格)を定める

価格の暴落→下限価格→政府・買付介入の実施
価格の暴騰→上限価格→政府・在庫放出介入の実施

※「農業経済論」第10回(2007年7月13日)リンクより抜粋引用
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 生産者が利益を出しにくい原因として、
○流通〜販売段階での中間マージンが乗る(販売価格は下げ圧力こそかかれ、値上げはなかなか難しい)
○豊作や凶作といった供給不安定とそれによる市場の需給バランスの乱れ→価格下落
○生産、流通、在庫、販売などの全局面でロス(不良品や腐敗等)が発生する
○利便性実現のためのコスト負担の増大=いつでも便利に新鮮な農産物が手に入る→そのためには店舗経費△(立地のよいところに大規模面積を確保、あるいは他店舗展開必要)、流通頻度△(新鮮さを維持する為に小ロット多頻度配送)、商品ロス△(常時在庫を切らさない為には余分にストックする→必然的に売れ残りや劣化による商品ロス△)

 などがあるのではないでしょうか。農産物は自然のものであるが故に、在庫が利きにくく機会を逸すると商品価値が急速に下落する(ロスを減らすために防腐剤などの化学薬品の多用にもつながる)。かつ、自然相手のため工場生産のよう供給を計画しにくいなどの特徴があります。

 しかし、農産物とは本来、収穫されたものを皆で分配して消費する、つまりは供給は完全にコントロールはできないので消費をそれにあわせていくものであったのではないでしょうか。そして、一時に食べきれないものは各地でさまざまな保存食の工夫がなされてきた。

 生産者と消費者は単に直売ネットワークでつながるだけではなく、自然に左右される農の本質を理解し、生産を続けてもらうため、消費者に良い作物をとどけるために双方の立場に立って協働していく必要があるのではないだろうか。消費者は生産者の事業を応援し、生産者は消費者の食を確保する(守る)という志(責任感)のもとに事業を行なう。

 そういったことで結果として様々なマージンやロスを排除し、無駄を省きダイレクトなコストを実現すれば今と同等で質の良い農産物を消費者に届ける事も可能ではないでしょうか。

 例えば、お米などにしても単発できまぐれに購入するのではなく、1年定期購入、あるいは3年、5年の長期契約ができれば生産者は安定基盤として安心して事業に取り組めるし(過剰や過少などの無駄がない)、消費者にとっても経済破局などによって一般流通価格が高騰した際でも(手に入らないリスクもある)、安定して食を確保できるセーフティネットとなる(かつ、長期契約にすれば価格も下がるメリットも考えられる)。

 そのような市場原理に頼らない共認原理によって運営される協働ネットワークによる農業事業というものを継続して考えてみたいと思います。
 
 
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