経済破局は来るのか?
190328 中国の人民元は国家紙幣では?
 
雪竹恭一 ( 46 営業 ) 08/10/21 PM11 【印刷用へ
中国政府の公式データが乏しいので、状況証拠から推測するしかないが、中国の人民元は国家紙幣である可能性が高い。

●中国の中央銀行制度
・中国の中央銀行は「中国人民銀行」。1948年の設立で北京にある。
・歴史的には、1949年の中華人民共和国樹立にともなう唯一の国家銀行であったことが出発点。社会主義計画経済の下では、すべての銀行が国有化され、中国人民銀行が中国の唯一の銀行(国家銀行)として中央銀行機能と市中銀行機能をあわせもっていた。
・1979年以降の経済改革のなかで次第に市中銀行機能が分離されてゆき、1995年の全国人民代表大会で制定された「中国人民銀行法」で、中央銀行機能に特化することが規定された。
・中国政府の国務院(最高の国家行政機関)の構成部門の一つ(総裁は閣僚ポストの一つ)である。日本銀行が政府から独立した認可法人であるのとは体制的に異なる。
・中央銀行として、通貨、金利政策を担当し、人民元の発行も行っている。

※中国人民銀行の中央銀行機能特化に先立って、1994年、四大国家専業銀行(中国、中国工商、中国農業、中国建設)から政策金融を分離し、国有商業銀行化する措置が採られた。
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●中国の不良債権処理方法
>国有商業銀行に対する不良債権対策として、公的資金の注入(2,700億元<=約 4兆円>、1998年)および不良債権の一部移管( 1兆4,000億元<=約21兆円>、1999年)が行われました。
>後者は、商業銀行法施行(1995年 7月)以前に実行された貸出で不良化したものを、各国有商業銀行ごとに設立された資産管理会社(AMC)に簿価で売却するもの
>AMCの資本金は財政が負担し、債権買取資金は中央銀行と国有商業銀行から調達していることを考えると、国有部門間での不良債権付替えに過ぎないとの見方もできます
リンク(※'02年の記事)

>中国政府は銀行の不良債権をセイニアリッジ(政府の貨幣発行特権)政策で処理しているのではないか
>中国政府は外貨準備(中国人民銀行が管理している)と「債券」を発行し中国人民銀行(中国の中央銀行)に引受させ、注入する公的資金を調達している。日経は「債券」とごまかすような表現をしているが、これは明らかに国債である。つまり中央銀行が国債を直接引受して、銀行の不良債権を処理する原資を捻出しているのである。
リンク(※'05年の記事)

●分析
表向きはほとんど公表されていないようだが、中国の国有商業銀行には大きな不良債権が発生している。(日本では不良債権は経済成長の足かせになるというのが常識であるが、そのような常識は中国では通用しない。中国は多額の不良債権が発生するくらい乱暴な融資を続けること(バブル化)によって、経済成長を続けてきたと見るべき。)

大規模な公共事業を行ない、軍事費を増大させてきた中国政府にそのような不良債権を処理するような余分な公的資金があるとは考え難い。正確なところは分っていないが、中国政府の財政は、大赤字ということは間違いない。('00年でGDP比2.9%、'07年で0.8%リンク

中国人民銀行は歴史的に政府(共産党一党独裁)直轄の管理下にあり、日米欧のような政府とは独立した組織ではない。(市場経済移行後も、国有銀行であることに変わりはないと思われる。むしろ中央銀行としての機能は強化されている。FRBのような金貸しが支配する民間銀行ではないことは明らか。)

以上のような分析から考えると、中国の不良債権は、国家紙幣によって処理されている可能性が高い。(おそらく、中国の外貨準備高も、国家紙幣によるドルの買取というスキムによって急速に膨らんでいる可能性が高いのではないか。)
 
 
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