食糧危機は来るのか?
179952 日本の農業政策は「世界の非常識」
 
孫市 ( 31 ) 08/06/25 PM07 【印刷用へ
 日本の自給率は戦後から一貫して低下していますが、EU諸国は「共通農業政策」により自給率は向上しています。これは国の政策の違いでもあるが、農業は市場と切り離した「特別」なものという認識の違いが大きい。また、EU諸国は「農業」「安全」に対する国民の意識が非常に高く、そのため有機農業や環境に配慮した農法に対して補助金を優遇するなど持続可能な農業を目的としている。

EU諸国の「共通農業政策」にも大規模な農家のみが儲かり、小規模農家が潰れていくなど多々問題はあるものの、自給率を上げるという目的は達している。日本も倣うべきことが多くある。

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【以下、デイリータイムズ「竹村健一の世界を見る目」より抜粋】
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 日本の自給率の問題は、これまでの日本の農政の欠陥が大きな要因をもたらしている。日本はもともと農業国家であった。その農業を守るために政府は、保護や規制ばかりの政策を行い、日本の農業を補助金漬けにしてしまったのである。その結果、日本の農業の生産力は完全に弱まり、必要な食料の40%も供給できない状態になってしまったのだ。

 これだけ世界の物流が行われている中で、わざわざ補助金を出して、減反政策や青刈り(生産調整)など行っている日本の農業政策は「世界の非常識」と言ってもいいだろう。いまこそ、この欠陥を変えていかなければ、日本は食料問題でのっぴきならない状況に落ち込むことは間違いない。この餃子事件を奇貨にして、日本の農業政策に大きな変革をもたらしたらどうであろうか。

 まさに、禍転じて福と為すキッカケにすべきなのである。

 かつて1973年にアメリカのニクソン大統領が、70年初頭からの内政重視政策により農産物が高騰したため、物価再凍結と大豆等農産物の輸出規制を行ったことがある。この時、味噌や醤油という日本の食卓の必須のものが不足したので、日本は大変な思いをした。しかし、欧州諸国はそれをキッカケに自分たちの国の農業の体制を変えた。単に大豆だけでなく農産物全体の自給についての施策をとり始めたのである。残念ながら、この欧州諸国の転換を報じる日本のマスコミはほとんど皆無であった。

 自給率の問題に正面から取り組んだ欧州諸国の成果を見てみると、イギリスの農産物全体の自給率が1970年に46%だったのが2003年では70%に(年数以下同)、ドイツでは68%が89%に、フランスでは104%が122%にもなっている。ところが、この時なんら効果的な施策をとらず、生産調整と補助金で過ごしてきた日本は、自給率が60%から40%に下がってしまったのである。

 この20年から30年の間で、ヨーロッパは自給率を回復させ、日本は逆に大幅に低下させてしまった。この違いはひとえに政治の問題である。欧州諸国は農産物を高く買い上げるために税金から補助する政策をとった。多くの経費をかけた農作物の売上げが赤字になるのであれば、誰も作ろうとはしない。そこに先を見越した施策が反映して、自給率の回復という大きな効果をもたらすことができたのである。

 ところが、日本の農業政策は欧州諸国とは違い、ほとんど変わることがなかった。農産物が不足すれば、外国のより安いところからの輸入に頼っていた。輸入品がどんどん増えていったが、そのことに対して日本はまったく鈍感であった。そして日本の農業に対して減反政策と補助金政策を繰り返すだけであった。

 その結果、いまやコメをつくっていた農地の4割が休耕地となってしまった。日本の主食であるコメは他の食材に代用されているし、大豆やとうもろこしの自給率は4〜5%に過ぎない。農家も割高の農産物はつくろうとしないから、この低自給率のサイクルはどこまでも続いてしまうのである。政府には、いまこそ根本的な日本農業の施策の見直しを断行すべきであることを強く言っておく。
 
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