脳回路と駆動物質
178011 睡眠の進化史
 
松尾茂実 ( 42 経営コンサルタント ) 08/05/31 PM05 【印刷用へ
睡眠についての一般的な学説をまとめてみた。

○無脊椎動物
脳波の変化がなく、「睡眠」と定義できる状態はない。活動を低下させることによって、エネルギー消費を減らす状態はあり、睡眠というよりは「休息」。

○変温性脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類)
原始的な睡眠状態である「レム睡眠」。レム睡眠は骨格筋の緊張を解いて身体を麻痺状態におくことによって身体を休ませると同時に、体温を低下させエネルギーを節約している。

レム睡眠は脳は覚醒したままだが、爬虫類までは大脳があまり発達していないので、脳を休ませる必要はなかった。

○恒温性脊椎動物(哺乳類)
「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」に分化。恒温性に移行したことにより、身体の機能調整機能を高めるるため、情報処理中枢である大脳が発達したが、それに伴い大脳を休ませる必要が生じ、意識水準を下げる「ノンレム睡眠」を獲得した。しかし、原始的な睡眠である「レム睡眠」も併用し、ノンレム睡眠から覚醒する前段階にレム睡眠を経ることにより、まず大脳の活動レベルを引き上げておいてから、目覚めるようになった。


【未明課題】
「レム睡眠」は身体を休めるための睡眠、「ノンレム睡眠」は脳を休めるための睡眠、というのが学説の主流のようだが、言うまでもなく睡眠時は外敵に対して無防備な状態であり、その危険性を上回る環境適応上の必要性が睡眠にはあるように思われる。そもそも「休息が必要」という発想自体、現実逃避的な近代思想の影響を受けているように感じる。

池谷裕二氏の研究リンクでは、「大脳皮質の神経細胞はノンレム睡眠時に最も活発に活動している」という報告もあり、環境適応上の必要性があるのは間違いない。

その観点で、睡眠史を再構築する必要がある。
 
 
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