古代市場と近代市場
174283 中央銀行の金融政策ってなに?
 
安藤太地 ( 28 会社員 ) 08/04/16 PM11 【印刷用へ
実体経済から剥離した紙幣を創りだす「中央銀行制度」について、るいネットでも数々の有益な情報が投稿されていますが、彼らの基本的な金融政策について調べてみました。

引用元「米国連邦準備制度について」リンク
(※)のみ追記。引用元は図もあり分かりやすいです。
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一般に一国の中央銀行が行う主な金融政策としては、@公定歩合操作、A公開市場操作、B預金準備率操作の三点が挙げられる。以下で、この三つについて簡単に説明する。

@公定歩合操作
銀行の主な業務は、預金者や他銀行等から資金を預かるとともに、銀行、企業、個人などに資金を貸し出すことである。資金の貸し借りが行われる際には、常に金利が存在する。
中央銀行もまた、同様の銀行業務を行っており、中央銀行から民間銀行に資金を貸し出す際の金利を公定歩合という。よって、市場のマネーサプライを調整する際、中央銀行は公定歩合をコントロールすることで、景気を調整することができる。中央銀行によるこの政策を公定歩合操作という。以下において、図表を参考に、詳しく説明する(※リンク元参照)。
中央銀行が公定歩合を引き上げると、民間銀行の金利も上がり企業活動は縮小する。結果的に、中央銀行は景気の過熱を防ぐことができるというわけである。逆に、景気が低迷している場合、中央銀行は公定歩合を引き下げ、銀行による企業への貸出金利を間接的に引き下げることで、企業活動を活発化させ、景気を後押しすることができる。
しかし今日、もっとも有用とされていた公定歩合操作も、インターバンク市場4の発達により、民間銀行同士の貸し借りが増加したため、大きな効果が見られなくなってきた。

A預金準備率操作
中央銀行の役割として、国が集めた税金を預け、国債を発行する「政府の銀行」、紙幣の発行を任されている、国内唯一の「発券銀行」、民間銀行に対する最後の貸し手となる「銀行の銀行」という三つの基本的なものがある。預金準備率操作とは「銀行の銀行」としての役割を、金融政策に利用したものである。民間銀行が、銀行業務である預金払い戻しを確実に行うことができるようにするため、すべての銀行は中央銀行に無利子で、総預かり残高に対する一定比率(この比率を、「預金準備率」という)の預金を義務付けられている。
この預金準備率を上下させることで、市場の金利を調整しようとするのが、預金準備率操作である。景気が過熱しているときは、預金準備率を引き上げることで、銀行の手持ちの資金が減り、それだけ融資に回せる資金量が減少する。そのため、銀行は企業などへの貸し出し金利を上げて、収益を得ようとする。その結果、企業などに貸し出す資金が減り、
景気が抑制されるわけである。逆に、景気が低迷している場合、中央銀行が預金準備率を引き下げることで、民間銀行の預金準備にまわす資金量が減り、手持ちの資金が増える。
そのため、民間銀行から企業などへ貸し出すお金の量が増え、景気は活発になるのである。

B公開市場操作
公開市場(オープン市場)とは、短期金融市場のうち、金融機関に加え、金融機関以外の企業も参加する市場である。公開市場操作とは、中央銀行が公開市場において証券を売買することにより、市場に出回るマネーサプライや金利を操作しようとするものである。
公開市場の資金を増やし、金利を下げたい場合、つまり景気が低迷している場合、中央銀行は市場で民間銀行などが保有している証券を買い上げる。各銀行は中央銀行に準備預金を預けている当座預金口座を持つが、当座預金口座に預けたお金は無利子であるため、各銀行は当座預金に収められている余分なお金を企業などへの貸し出しに回そうと考える。
銀行から企業に貸し出す量が増えるため、金利は下がり、それにより企業活動は活発化し、景気を後押しすることになる(このことを買いオペレーションという)。逆に、公開市場の資金を減らし、金利を上げたい場合は、中央銀行は、民間銀行に証券を売る。その結果、民間銀行の資金が中央銀行に入り、民間銀行の資金供給が減る。よって、民間銀行は企業などへの貸し出しを抑制し、景気にブレーキがかかる(このことを売りオペレーションという)。
*************************引用終わり*******************************

@に関して、金利の自由化に伴い、民間銀行で自由に金利設定できるようになったことから、公定歩合による金融政策では市場をコントロールすることはできない。現在は民間銀行同士が短期市場において金の貸し借りをする際に発生する金利(米国:FFレート、日本:無担保コール翌日物金利)が金利操作の代表的な誘導目標となっている。
※現在米国でFFレート+1%の金利を新公定歩合として採用している

したがって、中央銀行が金融政策をとる場合、Bの公開市場(この場合、短期金融市場)で、民間銀行や証券会社と手形や国債を売買することで、市場に出回る資金供給量をコントーロールし、「間接的」に金利操作を行っている。ただし「間接的」なので、金利指標もあくまで誘導目標であり、国際資本家による投機が市場の動向に大きな影響を与えているというのが実態でしょう。

このようにみてみると、中央銀行は金融の中心的な機関ではありますが、中央銀行が絶対的な統合機関というわけではないということがみえてきます。金融(金利)の自由化によって、中央銀行の統合力は低下し市場を制御できない、というのは現在のFRBの政策をみても明らかです。いや、そもそも中央銀行自体、設立経緯を振り返ると市場の統合役など担っていないとみたほうがいいかもしれませんリンク
 
 
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