アメリカ→官邸→マスコミによる支配
163741 水道局を民営化したらどうなるの? 〜イギリスの事例〜
 
チウエ* ( 20代 ) 07/10/19 AM08 【印刷用へ
水道事業の民営化の例としてよく挙げられるイギリス(イングランド・ウェールズ)の事例について調べてみました。

【イギリス水道事業の民営化背景】
・イギリス国内の財政状況の悪化により資金調達が必要
  ⇒民営化で政府の支出削減
・EC水質基準上昇に伴なう設備投資の資金不足
  ⇒株式売却による歳入増を期待
・サ−ビス効率の低下による河川の水質悪化と水質を規制する側と規制される側が同一部門であることによる弊害
  ⇒民間事業者の方が事業をより効率的に運営できる

【民営化後の流れと問題点】
1989年のサッチャ−政権による水道事業民営化により、各地の水道事業の運営は、民間企業に委託。

経営破綻は民間企業も手に負えず、水道料金はうなぎのぼりに毎年上昇。
一方民間企業は、株主への高配当や役員への高報酬を実施。

水の品質が低下。
(1990年代半ばの水質検査合格率85%、漏水多々)
(1997年の水道会社に対する苦情が11,123件うち26%が料金に関するもの/国民消費者センターONCC報告)

1999年ブレア政権になり、民間水道会社は水道事業局によって、平均12%の料金引き下げを強いられる。

この結果、水道事業各社の経営状況は悪化し、いくつかの水道事業会社が、米仏独の企業に買収される。

一方、2001年5月ウェ−ルズの米国資本の市水道会社を、地元投資家によって設立された非営利事業体(責任有限会社Glas Cymru)が買収。

安定重視、地元重視、顧客重視である非営利事業体と、外国資本のまま国際的に事業展開を行っている水道事業会社の並存。

新規参入は制度上可能であるが、安全性や水質維持の問題や水道取引メカニズムの構築の難しさもあり、事実上、10社による地域独占体制となる。
(ただし水道事業局が、民間会社の水道料金の上限値を設定している)

  ⇒イギリスにおける水道事業の民営化は、株式の売却を中心に実現し、結果として政府は財政的な収益は得ることはできた。しかしながら、水道料金の値上げ、水質の低下、外国企業による株式取得などの問題へと発展した。
  ⇒イギリスの水道事業は流域の総合的な公共事業体から市場優先の民間企業へ、さらには、民間の非営利の事業体へと変遷しつつある。
(参考:イギリスの水法 リンク
    上下水道セクターの民営化動向(PDF) リンク


イギリスの他にも水道局を民営化した事例はいくつかあります。
その多くは、財政難⇒私権を得るために民営化されているようです。

でも本当に必要なのは、生活に必要な水の安定供給・・・
自国のインフラを他国に握られることほど、不安なものはないですよね。
 
 
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