アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
163036 アメリカを過剰消費させ、世界を多極化させる。(資本=金貸しの論理)
 
井上宏 ( 40代 建築コンサル ) 07/10/08 PM00 【印刷用へ
大赤字国家アメリカは、莫大な赤字を抱えていても赤字を解消するつもりがない。
貿易赤字も国家財政も。国家破綻が迫っているが、アメリカはあくまで資本(金貸し)の論理に従わされている。

リンク 田中宇 より
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 アメリカが双子の赤字を減らせば、行き詰まりを解消できるが、米政府にはその気がない。双子の赤字の一つである財政赤字は、財務長官がポールソンになっても、赤字削減のための実質的な努力が行われないだろう。ポールソンより2代前の財務長官だったポール・オニールはイラク侵攻直前の2002年12月「イラク戦争で巨額の財政支出が見込まれる中で減税を挙行すると、財政赤字がひどくなる。戦争するなら減税は見送った方が良い」とブッシュに進言して嫌われ、突然クビにされた。
 それ以来、ブッシュ政権では、減税に反対するのはタブーになっている。ポールソンは、これまで時限立法として制定されていた減税を恒久化すべきだと発言しており、財政赤字を減らすつもりはなさそうである。

 もう一つの赤字である経常赤字は、アメリカにとって1970年代からの構造的問題である。これを解消するにはアメリカの諸産業を復活させるしかないが、90年代のITバブルが崩壊した後、米政府は自国の産業復活の努力をしなくなり、むしろ製造業はアジア諸国などに任せる姿勢を強めている。ブッシュ政権は、アジア諸国がアメリカ市場に頼らず、アジア域内の内需によって成長していく状態を作ろうとして、ドル安(人民元高)を誘発してきた。

 ドル安やアメリカの産業衰退の放置は、一般の米国民にとっては、購買力の低下や雇用の減少を招くのでマイナスだ。ところが、中国やインドなどの経済成長で儲けているゴールドマンサックスのような金融機関にとっては、アメリカが衰退する分、中国やインドが発展するのなら、それは望ましいことである。アメリカの成熟した低成長の産業に投資するより、中国やインドなどの、発展初期の高成長の産業に投資した方が、利回りがはるかに高いからである。世界の多極化は「資本の理論」で考えると理解しやすい。

 中国やインドはまだ貧しいので、これまでアメリカ市場が果たしてきた旺盛な消費を、すぐに肩代わりすることは無理だ。だが人口で見ると、中国とインドを合わせるとアメリカの10倍以上になる。長期的に見ると、中国やインドは、巨大な消費力を内蔵している。ポールソン財務長官の役割の一つは、アメリカの消費力が衰える前に、中国などアジア諸国や産油国の経済構造を、アメリカから自立した体制にすることである。そのために「大プラザ合意」が必要となる。
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(引用以上)

冷戦後、アメリカは、グローバリズムにより、世界のマネーがアメリカに循環する構造をつくった。アメリカでは金融市場が発達して、米国民は株式投資や住宅投資に熱中しその値上がり益が、アメリカをますます過剰消費に向かわせた。
20世紀末以降、アメリカは世界中に高度成長の国家を作るための消費の役割を担っている。そのためには、減税は許されない。

しかし、消費の役回りを負わせられたアメリカは、過剰消費→借金でいよいよクビが回らなくなってきた。

次の市場の役割を担うのは?中国、インドなど?
資本(金貸し)の論理が世界を市場化、多極化させている。

※日本は、このままだとアメリカの借金の穴埋めにされるだけ。
 
 
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