●通い婚
集団婚時代は集団内で婚姻関係を結んでいたが、その閉鎖性を解体するために、同じ集団内=母方の親族との婚姻関係をタブーにし、決められた集団に男が通うのが通い婚。
集団が閉鎖性を帯びないように、A集団の男たちはB集団の女たちと、B集団の男たちはC集団の女たちと、というように相手を決めていくのが普遍的。
父親は別集団で生活しているので、母方の兄弟が養育することになる。
●母方交叉イトコ婚
通い婚時代に形成された集団どうしの結びつきはそのままにして、女を男の集団に迎え入れるようになると、母方交叉イトコ婚になる。
嫁の出自集団から毎年ヤム芋などが贈られるが、これは通い婚時代の名残で、母方の兄弟が子供たちを養育するのが義務になっているからである。
母方交叉イトコ婚の優れているのは、A集団はB集団から嫁をもらい、B集団はC集団から、C集団はD集団から嫁をもらう等、嫁取り先が移行していくので、ヤム芋等の贈り物も同様に移行し、特定の集団に財が偏ることがなく、財が循環することである。
母方交叉イトコ婚と一夫多妻の併用がアボリジニ等で見られるが、一夫多妻は身分の高い人あるいは呪術師に限られる。首長という地位からは特に収入を得ることはないが、複数の妻を持つ特権によって富が首長に集中する。
●父方交叉イトコ婚
父方交叉イトコ婚は、A集団の親世代がB集団から嫁をもらったら、子世代は逆にB集団に嫁を出すことになり、A集団とB集団で閉じた婚姻関係を結ぶことになる。
これは閉鎖性を強めることになり、通い婚や母方交叉イトコ婚の趣旨とは反している。特権から富を蓄えた集団が、財が流出しないように閉じた婚姻関係を作ろうとしたのだと思われる。
いったん父系イトコ交叉婚に移行すると、富を蓄えた集団に嫁を送り込むことが出来れば、子世代では逆にその集団から嫁を得ることができ、富の分け前を受けることになるが、これは政略結婚のはしりである。
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