アメリカ→官邸→マスコミによる支配
151162 哺乳類の摂理について【1】
 
土山惣一郎 ( 49 デザイナー ) 07/05/08 PM05 【印刷用へ
 もともとの週刊朝日からの質問状(150312)にある『雌雄の生態は哺乳類の中でも個々の種によって様々。∴母系制は哺乳類の摂理ではない』いう見解は、ちょっと表面的かつ乱暴だと思います。

 摂理や法則を論じる以上、もっと緻密に哺乳類の生態や習性、さらには進化系譜を観察する必要があります。そのポイントを以下に記します。

【1】哺乳類の共通の祖先と言われる原モグラ(現在の食虫目に似た姿形や生態を持つ)は『単体型』。『単体型』の哺乳類はメス同士でも性闘争or縄張り闘争を行っている。しかしその後の適応放散過程で数多く登場してくる『集団型』ではメス同士の性闘争は見られなくなる。一方、発情期におけるオス同士の性闘争は例外なく存在する。

【2】『単体型』『集団型』にかかわらず、オスの縄張りはメスの縄張りよりも広域。また妊娠期間や授乳期間中のメスは巣から離れず、食料確保や巣の防衛は主にオスの役割になっている。

【3】『父系制』を採っているチンパンジーとリカオンは、いずれも大型集団を形成できるレベルにまで進化した種。両者とも移動生活(≒行軍生活)を営んでおり、その結果、外敵や同類との生存競争が熾烈。

 性闘争本能は集団や群れを形成するうえでは、一種の欠陥本能として作動します。それが『単体型』の哺乳類の特徴とも言えます。しかし集団や群れを形成するのは生物一般にも広く見られる重要な生存戦略ですから、その後の哺乳類の進化過程では、まずメスの性闘争を抑止することで群れを形成するようになったらしい痕跡が色濃く見られます。ちなみに、俗に言う高等哺乳類のメスは、生後の授乳だけではなく狩りや危機回避の教育なども行うのはよく知られた事実ですが、妊娠期間〜育児期間中は、少なくとも子供に対しては性闘争本能が発現しないようにオキシトシン他の親和物質が分泌されます(これが世間で言う母性本能です)。

 この間、オスは食料の確保や防衛のために、巣から離れずにこの母子集団と生活を共にします。

 このように、胎内保育機能に不可欠な親和物質を利用してメスの性闘争を抑止できたからこそ、母子集団の形成やメスが複数いる集団の形成が可能になりました。さらには、この母子集団を庇護するオスの本能の強化も、集団形成上は不可欠のポイントです。これらの過程を経て、『単体型』から『集団型』への進化が可能になったのが哺乳類の特徴です。
 
 
  この記事は 150757 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_151162

 この記事に対する返信とトラックバック
227325 【図解】哺乳類進化とオキシトシン 匿名希望 10/02/28 AM00
154737 メスの性闘争ってどういうことですか? KOU 07/06/19 AM05
151163 哺乳類の摂理について【2】 土山惣一郎 07/05/08 PM05

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp