古代社会
139765 部族間の一方的な物資の輸送と、封泥の使用は何を意味しているのか?
 
匿名希望 ( 26 会社員 ) 06/12/10 AM07 【印刷用へ
>北シリア・バリフ川上流のテル・サビ・アビヤド遺跡(7500年〜7000年前)では、約300点もの封泥片が発見された。(中略)
ただ、出土したサビ・アビヤド6層から印章そのものは1点も出土していない。(138368)

>多数の封泥が出土するのに印章が出土しないということは集落外から物資がやってきて、印影によってどの部族からの物資かを判別していた、ということだろう。その上、容器の未開封を証明する封泥がされたということは、物資の運搬を(あまり信用のおけない)第三者に託したということではないか。第三者とは遊牧民か?(138406)

一方で、同シリアのエル・ルージュと呼ばれる盆地にあるテル・エル・ケルク遺跡からは封泥とともに、多数の印章が出土している。

常木 晃氏「テル・エル・ケルク遺跡(シリア)の封泥」リンク
より以下引用
>テル・エル・ケルクからも多様な石材の印章が出土しており、こうした石製の印章によって印影が捺されたわけである。封泥や印章は、土器などの伴出遺物から見て、今から約7300年前の新石器時代の層からの出土であることは間違いなかった。(中略)
封泥の出土は、私たちに一つの確かなことを語りかけてくれる。誰かが、これは自分のものであり、他者が開けてはならないという意志表示をしている。しかし封泥は鍵ではなく、誰でも容易にそれを壊して中のものを取り出せる。つまり開けてはいけないものだという意識がその社会の成員の中に貫徹していなければならない。所有者の意志に反して開いた場合は罰せられることで成り立っている遺物であり、それを保障している権力が存在しているわけである。(中略)
テル・エル・ケルクで出土したちっぽけな泥の塊は、新石器時代の印章と呼ばれている遺物が実際に印章として使用されたことにもやは疑いの余地がないことを示し(かつては新石器時代に印章があるはずがないという思いこみから、装身具や護符であると考えられていた)、また、印章を用いた物資の保障システムが7300年前までもさかのぼることを雄弁に物語っている。<

これは、テル・エル・ケルク遺跡側の部族から、テル・サビ・アビヤド遺跡側の部族に対する一方的な物資の輸送があったということなのでしょうか?だとしたら、これは贈与とも考えにくく、すでに両者の間で支配・被支配関係が成立していて、税や奉納品としての物資の輸送だった可能性も考えられそうです。

さらに、サビ・アビヤド集落には、農耕民族の家屋と遊牧民族の家屋(主に自分たちの持ち物を保管するのに使用していたようです)とが存在していたようでリンク、そこから考えると物資の輸送を遊牧民族が担っていた可能性が高そうです。
 
 
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円筒印章から分かること 「縄文と古代文明を探求しよう!」 08/10/01 PM03

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