密室家庭は人間をダメにする
138636 密室家庭でしか虐待は起こらない
 
SR400 ( 20代 ) 06/11/28 AM04 【印刷用へ
 昔は誰にも言えませんでしたが、私は小さい頃に母が再婚してから中学2年生頃まで母親から暴力による虐待を、父親から暴力と性的虐待を受けていました。虐待に関する本をたくさん読んで自力で両親からの虐待を断ち切ってからは、自分が子どもに虐待しないためによりたくさんの文献やドキュメントや大学の一般教養と教職課程で虐待について学びました。
 特にアメリカでは虐待に関する研究が熱心に行われ、虐待されている者、虐待している者への救済や支援にも力を入れていますが、根本的に個人主義の国なので、個々の「虐待している者とされている者」を対象としてそれぞれを解決させようとしているように見えます。

 しかし、
 
 虐待は、している者・されている者個人の問題ではありません。
 虐待を生み出す「密室家庭」を作り上げている社会全体の問題です。

 
 はじめから虐待しようと思って子どもを産む母親はいません。むしろ虐待するような母親にはなりたくない、いい母親になりたいと望んでいる人が虐待してしまうのが「密室家庭」「個人主義」の恐ろしいところなのです。
 個人主義という旧観念に支配されながら密室家庭で子育てをする母親は大変です。子育てに不安があっても頼る人がなく、子どもの評価=自分の評価と考えてしまうため、「いい母親にならなくてはいけない」「いい子どもを育てなくてはいけない」という強迫観念に襲われて自分ひとりで必死になります。
 結果、子どもが言うことを聞かなかったり失敗を繰り返したりするとパニックを起こしたり、人の意見を否定的にとらえ拒絶したり、子どもの問題を教育者に押し付けたりして、自分を正当化し守ろうとします。

 もし家庭が密室でなかったら、子育てが母親ひとりのもの(子どもの評価=母親の評価)でなかったら、虐待は起こらないでしょう。
 

>虐待に向かわせなかった、その一歩手前で食い止めたのは周りの力。この周りの力が十全に発揮できたのは、うちも隣も同じ、おとながこどもを守るのは当たり前、経験者・年輩者が若いひとに意見するのは当たり前、というような社会規範があったから。(83121)

 この社会規範が機能するためには、現在の個人主義という観念を打破しなくてはなりません。家庭を聖域とするのではなくみんなの共通課題として認識しなくては、たくさんの近所の人が「虐待しているようだ」と通報しているにもかかわらず、親の「していません」という一言で追求するのをやめてしまうといった狂った事態が起こってしまいます。
 虐待の報道を聞きながら「虐待するなんて信じられない」「ひどい親がいるもんだ」と虐待していない人たちが傍観的に発言するのは、虐待問題をその家庭個人の問題としてとらえているからです。

 虐待している親をひとりひとり裁いて更正させていっても虐待はなくなりません。虐待していないみんなが虐待を「他人事」にせず、どんどん口を出していける社会にしていくことが現代の家庭問題の解決につながるはずです。
 
 
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