日本人と縄文体質
137144 匈奴に見るモンゴル遊牧民の本源性
 
辻一洋 ( 41 企画 ) 06/11/11 PM01 【印刷用へ
東洋の遊牧民の歴史を探る上で、東アジア最初の強大な国家を形成した騎馬民族である匈奴を取り上げたい。

◆匈奴の出自
中央ユーラシアの遊牧民はモンゴロイドとコーカソイドの混血である。
匈奴はテュルク(トルコ)系かモンゴル系かは不明とされているが、
>人種の区分でいえば、現在トルコ系に分類される人びとは、…大なり小なり、モンゴロイドとコーカソイドの混血である。古い時代に中央ユーラシアにいたコー力ソイドが西方と南方に移住し、そのあとでモンゴロイドの遊牧騎馬民が広がったと単純に考えると、西にいくほどコー力ソイドの血統が強く残っていることになる。一方、モンゴロイドという名称のもとになったモンゴル民族も、現代に至るまで、中央ユーラシアのさまざまな人種と混血してきたのだ。古代の遊牧民を、モンゴル系かトルコ系かに分類するなどということは不可能だ。
「モンゴルの歴史」(刀水書房 2002)宮脇淳子 リンク

◆匈奴の連合国家
紀元前三世紀末に冒頓単于(ぼくとつぜんう)が匈奴の騎馬民族国家を建設し、四隣に向かって積極的に軍事活動を起こしてから飛躍的に発展した。

彼らの社会構成は厳密な意味での氏族や部族単位で服属させたわけではない。血縁の近い十人の騎馬兵を最小単位とし、百、千、万の十進法単位のピラミッド体系で統合する、きわめてシステマティックな社会統合組織である。もちろん、この背後に騎兵たちの家族がいる。それらの統合者として諸種族の長を据え、様々な民族の連合体となったことで広大なモンゴル高原を支配・統合できたと考えられる。

◆「天」思想
モンゴルではテングルとも呼ばれる世界観が匈奴時代から存在する。
>古くから身近に存在しながら知り得ない宇宙を含めた世界の構造を仮想する場合に用いられている。リンク リンクウィキペディア
単于はこのシャーマニズム的「天」によって神格化し、首長の正当性を知らしめた。

◆婚姻
当時の中央ユーラシア遊牧民は「嫂婚制」と呼ばれる、上位集中的な父系私有婚が一般的であった。
嫂婚制とは父や兄の未亡人を娶ることでその財産を引き継ぐ制度。外婚制・姉妹婚を伴う。
単于は外婚の特徴である通婚と嫁取り婚を併用したようだ。
服属種族とも姻族関係を積極的に結び、一般庶民も外国人との結婚も容認されていた。

これらは匈奴以後に現れた突厥やモンゴル帝国などにも引き継がれる特徴である。
彼らは略奪や殺戮も行ってきたが、示威行為や話し合いなどで服属させ、可能な限り戦争を避けてきた。
かれらモンゴルを征した遊牧民たちは狭義の氏族・部族の服属連合体ではなく、縄文人にも通ずる積極的な融和政策(婚姻を含む)によってより強い紐帯を築けたと言えます。

※参考文献「騎馬民族国家」江上波夫、「遊牧民から見た世界史」杉山正明、「詳細世界史研究」木下康彦他
 
 
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