市場は環境を守れない、社会を統合できない
133889 原子力発電という科学技術について
 
磯貝朋広 ( 34 技術者 ) 06/10/11 PM09 【印刷用へ
>こう考えると、科学技術の発展は国家の統合課題(戦争に勝つ)が原動力であるといえるのではないかと思う。

エネルギー問題について調べていると、原子力発電技術について興味深い記事があった。(『環境問題を考える』リンク
わが国のエネルギー政策を軍事的側面から考察している。

************以下引用************
> 国主導で爆発的な勢いで展開される原子力推進路線には、当初電力業界は懐疑的であったように見える。57年になって、電力九社はそれぞれ原子力発電計画の策定に入るが、当面は国策会社である日本原子力発電(資本金40億円、電源開発20%、民間80%出資、社長安川第五郎)を受け皿として設立(57.11)し、様子を見ることになった。日本原電は、東海村にガス冷却黒鉛炉であるコールダーホール型原発と、敦賀にBWR型原子炉を建設して、受け皿としての役割を終えることになる。
************以上引用************

ここで注目されるのは、黒鉛炉である原発を採用した点にある。

************以下引用************
>「軍用プルトニウムの専用生産原子炉を現在持つ国は、米、英、仏、ソの四カ国である。これらの生産炉はほとんど例外なく黒鉛減速型炉と呼ばれる物であり、特に原子力発電用として英国等で多数用いられているコールダーホール型原子炉は、まったくこのプルトニウム生産炉の一変形にしか過ぎない」(68年版308頁)。軍事用プルトニウムの組成は98%以上が必要であるが、東海原発は黒鉛減速型炉であって、これを軍事炉として使うことは可能であるとし、次のような試算を行なっている。
************以上引用************

つまり、数種類ある生産炉の中で、最も容易に軍事炉として転用できる炉を採用したのである。

************以下引用************
>動燃に与えられた使命は、採算を度外視しても高速(増殖)炉を開発することであった。東海村に再処理工場を建設し、大洗に高速実験炉「常陽」を建設し、敦賀に高速原型炉「もんじゅ」を建設し、ブランケットを再処理するために東海村にRETF(リサイクル機器試験施設:Recycle Equipment Test Faci1ity(図3))を建設した。これが予定通り進めば20世紀末までに日本は戦術核開発の“技術的ポテンシャル”を確保することが出来るはずだった。
************以上引用************

表向きはクリーンエネルギー、次世代エネルギーをお題目に掲げながら、核生産技術という政治的なカードが着々と画策されているのだ。
現在の原子力政策は、目先のエネルギー問題と、政治的・軍事的利用という二重の側面を持つ。単純に環境的視点(核廃棄物処理問題など)から反対を唱えるだけでは片手落ちなのだ。
本当に必要か否かは、国家統合という視点で議論していかなければ答えは出ないし、皆の共認も得られないのだと思う。
 
 
  この記事は 82417 に対する返信です。
 この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_133889

 この記事に対する返信とトラックバック
259731 世界の核実験 石橋創 11/12/21 AM01
155120 国防と裏表一体だった原子力平和利用=原子力発電 前上英二 07/06/23 PM10
六ヶ所村核燃料施設稼動に・・・アメリカの影!? 「Trend Review」 06/12/17 AM00
ウニの遺伝子数はヒトとあまり変わらない!? 「Biological Journal」 06/11/11 AM03
『ガイアの復讐』…だからって原発推進? 「新しい「農」のかたち」 06/11/05 PM09
134428 原子力政策って軍事利用の準備でもあったんだ! 高菜ごはん 06/10/15 PM11

  [戻る]  


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp