『日本婚姻史』と言えば、高群逸枝のものが有名ですが、これは民俗学者の中山太郎が著し、昭和3年に刊行されたもの。今回手元にあるのは昭和31年に再版されたもので、旧仮名遣い(挿絵の説明は右から左への横書き!)と972頁という分量から、かなり読み応えがありそうです。
著者の中山氏は、岡野知十、柳田國男に師事したとのこと。ネットやパソコンのない時代に、記者をしながら、膨大な量の本を読み、話を聞きに方々に旅し、10年間で2万枚のカードにまとめたという著者の努力には、ほんとに頭が下がります。
婚姻だけでなく、各時代の離婚にも触れるなど、細かいことまで調べられていること、戦後の価値観が入ってくる前に書かれていることなど、かなり価値があると思われます。
まだまだ内容をじっくり読めてはいないのですが、目次を紹介します。(原文は旧仮名遣い+旧漢字です)
◇進化篇
第一章 共同婚…「共同婚を偲ばせる二三の古語」など七節
第二章 団体婚…「初夜権の行使は団体婚の遺風」など四節
第三章 掠奪婚…「我国における掠奪婚の初見問題」など五節
第四章 売買婚…「売買婚の初期に行われた交換婚」など四節
第五章 契約婚…一節
第六章 婚姻の種々相…「倫常を無視した定期婚」など五節
第七章 婚姻の呪術的進化…「男女の性器に施術する儀式」など十節
◇時代篇
第一章 国初時代…「我国の婚姻史は一夫多妻に始まる」など十三節
第二章 奈良時代…「当代における社会階級の瞥見」など十節
第三章 平安時代…「耽美性に養われた貞操観」など十節
第四章 鎌倉時代…「武家生活と貞操観の消長」など八節
第五章 室町時代…「娼婦性を帯びた当代の女性」など十節
第六章 江戸時代…「女大学で訓練された婦人道徳」など九節 |
|