原始共同体社会
11152 集団規模の大きさ→私権統合を生み出したわけではないのでは?>大串さんへ 狩猟・採集部族の集団構造
 
北村浩司 ( 壮年 広報 ) 01/09/19 AM03 【印刷用へ
>バンドという規模の制限を破って集団を大きくしたときに、バンドの中では縄張り意識をうまく抑制していたもの(「分化」とか「役割充足」とかいうもの)が機能しにくくなって縄張り意識の弊害が強くなった状態が私権時代かな、という感じです。 
 

 集団規模が大きくなるとそれまでの「顔の見える」生まれた時から一緒の単位集団(バンド)と違って、より上位の組織統合の課題が登場する事は間違いありません。
 しかし集団規模が大きくなったことと、私権統合直接が結びついているわけでは決して無いと思います。
 
 弓矢の登場以降、(2から1万年前)安定した生存域と食糧が確保できるようになると、集団規模が格大してきます。
 例えば縄文中期〜後期(5500〜4000年前)に登場した三内丸山遺跡の事例では、竪穴式住居が1000件存在したとされています。推定5000人近い集団です。また他の未開部族などの事例でも、大きなものは推定3000から5000人近くの部族連合を作っていたようです。
これらの集団は基本的に原始共同体です。

 そしてこれらの大規模な集団は次のような形で統合されていた様です。
まず末端に30から50人規模の血縁集団(単位集団・氏族)が存在する。そしてその上位に氏族3〜4グループを統合する胞族というグループが作られる。そして更にその上位に、胞族を更に3〜4グループ統合する部族が形成される。という3段構成がとられており、これら全体が一つの集団を構成していたようです。各氏族、胞族は全体で集団規範を共有しており、各段階の決定は現代風に言えば合議制だったようです。
 これらの集団の一番基礎にある、氏族は血族であり、生産と生活をともにする集団です。だからおそらく各構成員は役割充足も充分に感じていたと思います。

 しかし逆にそれぞれの氏族(単位集団)はそのままだと独立性が強くなりすぎるということからでしょう、別の胞族のグループ同士で(ある氏族or婚姻班と別の氏族)総偶婚=群婚制がとられていたようです。集団が解体しないための、統合の一つの知恵です。
 
 この集団構成だと概ね300から500人の規模ですが、それ以上の規模となると、緩やかな部族連合を形成していた様です。但し三内丸山は同一地域に棲んでいたことより、集落全体が一集団だったのかもしれませんし、連合体だった可能性もあります。

 これらの集団はおそらく規模が大きくなるに従って、血縁を単位に(但し群婚なので当然母型の血縁になります)集団を分割していったのだと思います。

これらの事例からも個々の縄張り意識(私権意識)の肥大による集団の不調和や解体は、決して規模の拡大が要因ではない、という事がいえるのではないかと思います。
 
 
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