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試験・身分制度の根深い害
355089 子どもの将来は偏差値ではなく○○で決まる! 「難関校に行けば安泰」の時代はもう去った
 
紀伊谷高那 ( 34 大阪 会社員 ) 20/03/28 PM10 【印刷用へ
子どもの将来は偏差値ではなく○○で決まる! 「難関校に行けば安泰」の時代はもう去った
リンク)より転載

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■「偏差値がいちばん大事」はもう古い?

(中略)もともと偏差値(※)は、指導者の勘に左右されず、科学的な基準で生徒に適切な進路指導を行ないたいと考えた教育者、桑田昭三氏の熱意から1957年に生まれました。
(※正式には「学力偏差値」と呼ぶ。統計学のなかにあった偏差値の概念を、桑田氏が進路指導用にアレンジした)

ところが、1980年代になると偏差値だけがひとり歩きし、子どもの将来を考えた進路指導ではなく、「この偏差値ならこの学校」というマッチング的な進路指導になっていったのだとか。いわゆる偏差値至上主義の始まりです。(中略)

その頃から現在に至るまでには「詰め込み教育からゆとり教育へ」といった方針の変化もありましたが、偏差値至上主義の根は深く、「偏差値の高い学校ほどいい」という固定的な考えに変わりはありませんでした。

しかし、先の池上氏や、ジャーナリストの増田ユリヤ氏は、偏差値にとらわれすぎることに大きな疑問を呈しています。同氏らの著書『偏差値好きな教育“後進国”ニッポン』によると、増田氏は教育大国フィンランドの先生から、次の言葉を聞いたそう。

・「人生はリスクの連続で、それを乗り越えるための答えはひとつではない」
・「学校の授業で子どもたちは、たとえばエネルギー問題などをテーマにして、状況に応じ知恵を出し合い、どういう道を選択すればいいのかを考える訓練をしている」
・「その過程で真に学ぶ楽しさや喜びを知れば、子どもたちは将来、どんな問題にも立ち向かい、答えを導き出せる」

この言葉からわかるように、フィンランドでは、子どもたちが危機的状況を突破する術を考えるなかで、学ぶことの楽しさを見出す教育が行なわれているそうなのです。これは、勉強・受験・就職・仕事・対人関係の失敗や挫折など、これからの人生で待ち受けるさまざまな問題をどう解決し、楽しく生きていくか、その術を学ぶことにもつながります。こうした学びは、偏差値のためだけに勉強しても得られないでしょう。

加えて同氏らは、偏差値が日本独特のものであることにも言及しています。たとえば、「自分で考え、自分の意志で進路を決めること」を尊重するフィンランドでは、偏差値の概念がないのだそう。また、欧米ではエッセイを書かせる試験問題が普通で、たとえばフランスの大学入学資格試験では、哲学の記述問題を数時間かけて解く場合もあるそうです。

(中略)

■成功に学歴は関係ない? いま注目の「ティール・フェローシップ」

さらに、親の教育観もアップデートが必要だと感じさせる取り組みを紹介しましょう。Facebookなどに投資を行なってきた大物投資家であり、PayPalの創業者でもあるピーター・ティール氏が主宰する、若手起業家育成プログラム「ティール・フェローシップ」です。

起業を志す22歳以下であれば誰でも応募できるという「ティール・フェローシップ」とは、応募者の中から優秀な若者を念入りに選び、一定期間研究や創業に没頭できるよう、10万ドルを投資するというもの。

応募者たちは、投資家であるティール氏らを納得させ、新しいものを創り出すための助成金を得るために、自分が何をしたいのかを明確にアピールします。スタートアップ企業が投資家に対して、自社の技術やサービスをプレゼンテーションすることと同じですね(ただし「ティール・フェローシップ」の場合は株式を取得しない)。なお公式サイトによれば、応募にあたってピッチデッキ(投資家向けのプレゼンテーション資料)は必ずしも必要ないそうですが、短めの資料や目論見書(投資判断に必要な書類)を用意するといいとのこと。

じつは、この「ティール・フェローシップ」では、もしも選ばれた若者が学生の場合、大学を中退することが投資の条件になります(高校生の実例もあり)。その根底にあるのは、「すばらしい才能を持ちながら学校で埋没しているのはもったいない」という考え。10万ドルのほか、著名な起業家や投資家、科学者とのコネクションが手に入るとあり、学校中退という条件があるとはいえ倍率は100倍以上とのことです。

(中略)

■大切なのは子どもが「熱中できること」

では、私たち親が子どもたちのために「偏差値よりも大切にしてあげるべきこと」とは、いったい何でしょう?

(中略)

子どもには、好きなことにとことん熱中させてあげましょう。そうすることにより、次のような好影響も得られます。

★好きなことに熱中すると、自己肯定感が育まれる!

一般社団法人キッズコンサルタント協会代表理事の野上美希氏は、子どもが好きなことを見つけ、それを親が認めて熱中させてあげることで、子どもの自己肯定感が育まれていくと言います。

(中略)

好きなことを目一杯やらせてあげれば、「僕は僕でいい」「私は私でいい」という気持ちを高めてあげることにつながります。親はぜひ、このことを心に留めておきましょう。

★好きなことに熱中すると、集中力が高まる!

帝京短期大学教授(生活科学科学科長)の宍戸洲美氏も、幼児期から小学生くらいまでは、「遊びに没頭できる」「好きなことに夢中になれる」ことがとても大切だと述べます。なぜならば、「夢中になってひとつのことに没頭できる力」は「集中力」とも言えるから。集中力とは、学習への集中力のことだけを指すのではないのです。

子どもの集中力を高めるには、自分がやってみたいことを自由に挑戦できる環境がとても大切だと同氏。(中略)好きなことに熱中する経験自体が、集中力アップに効いてくるというわけです。

つまり、私たち親がするべきことは、子どもの偏差値を上げよう、偏差値の高い学校に入れようとすることではなく、子どもが「好き!」を見つけ、それに熱中できるようサポートすること。

「虫なんか集めてないで、 早く勉強しなさい」などとは言わず、お子さんが好きなことに没頭する姿を、優しく見守ってあげてください。
 
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