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生物の起源と歴史
353708 巨大隕石落下後「省エネ型生物」生き残る…哺乳類の復活速く、鳥類はクチバシに救われた?
 
吉 四六 ( 大阪 会社員 ) 20/02/13 PM06 【印刷用へ
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哺乳類…栄養価高い食物を取り込み大型化、多様化
 昨年10月、米サイエンス誌に載った米西部コロラド州デンバー自然科学博物館のタイラー・ライソン博士らの論文が、世界の古生物学者の関心を引いた。同州コロラドスプリングスの近くにあるK/Pg境界を挟む連続した地層から、保存状態のよい動植物の化石を多数発見した報告をまとめたものだ。

 隕石落下の10万年前から100万年後までの地層で、前後の生物相の変化を詳しく研究できた。

 その結果わかったことの一つは、哺乳類の復活の速さだ。

 哺乳類は隕石落下の約30万年後までに体重約40キロ・グラム、約70万年後までに約70キロ・グラムと大型化していた。30万年後はクルミ科の植物が種類を増やし、70万年後はマメ科の植物が出現した時期と重なる。

 これまでは動物が多様性を回復するまでに約1000万年かかったと考えられていたが、哺乳類は栄養価の高い食物を取り込んで大型化しつつ多様性を増していき、隕石落下の約100万年後までに他の動物に先駆けて繁栄の基礎を築いたとみられる。

 2018年現在、哺乳類は体重2グラムの小型コウモリから170トンのシロナガスクジラまで約6400種が確認されており、地球の生態系の中心になっている。

 哺乳類と並んで繁栄している鳥類については、コロラド州の地層から状態の良い化石が出ておらず、多様性が回復した詳しい過程はわからないという。

巨大隕石落下後「省エネ型生物」生き残る…哺乳類の復活速く、鳥類はクチバシに救われた?
恐竜絶滅の境界を含む地層について説明する真鍋さん(東京・上野の国立科学博物館で)

変化しなかったカメ
 一方、論文によると、隕石の影響をほとんど受けなかったカメ類は、隕石落下後の哺乳類が大型化・多様化した時期に、ほとんど変化しなかった。

 その後も多様性を増やせず、人間による乱獲や生息環境悪化などの影響で、カメ類の多くの種が、生存の危機にひんしている。

 生物多様性に関する政府間組織(IPBES)の報告書によると、1900年以降、カメ類は約350種のうち3%が絶滅し、9%が絶滅寸前、18%が絶滅の危険が高いとされている。


 K/Pg境界前後の動物層の変化がわかる地層は、落下現場に近い北米大陸でしか見つかっていない。アジアやアフリカ、南米大陸で当時の地層が発見されれば、絶滅と復活をめぐる新しい地球の生命史が浮かび上がるかもしれない。
 
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