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法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
352326 安倍政権が切り捨てる日本の食と農。日本だけが輸入する危険な食品
 
井上智貴 ( 22 大阪府 会社員 ) 19/12/29 PM07 【印刷用へ
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 安倍政権はアメリカが要求する農協改革の名のもとに、農業への企業参入、農業の大規模化・効率化を推進してきた諮問会議で農業改革の議論をリードしたのは、農業の専門家ではなく、金丸恭文氏、新浪剛史氏といったグローバリストである。安倍政権が掲げてきた「稼げる農業」というスローガンは、その実態は、グローバル企業やお仲間企業だけが稼げる農業なのである。
農業を犠牲にする経産省政権
── 日米貿易協定が2020年1月に発効します。 鈴木宣弘氏(以下、鈴木): この協定について、安倍総理は「ウィン・ウィンだ」などと言っていますが、日本の完敗であることははっきりしています。自動車に追加関税をかけるというトランプ大統領の脅しに屈して、日本は農業分野を犠牲にしたのです。日本側の農産品の関税撤廃率は72%ですが、アメリカ側の関税撤廃率はわずか1%に過ぎません。日本農業は、さらに大きな打撃を受け、食料安全保障の確立や自給率向上の実現を阻むことになります。  安倍政権は、「アメリカは自動車関税の撤廃を約束した」と述べていますが、署名後に開示されたアメリカ側の約束文書には「さらなる交渉次第」と書かれています。自動車を含まなければ、アメリカ側の関税撤廃率は51%に過ぎません。これは、少なくとも90%前後の関税撤廃率を求めた世界貿易機関(WTO)ルールに違反することになります。
危機に陥る食料自給
── 協定が発効すると、アメリカ産の牛肉や豚肉の関税が一気に下がります。 鈴木:牛肉の関税は、現在の38・5%から26・6%に一気に引き下げられ、2033年度には9%となります。豚肉も、高級品については関税を段階的に下げ、最終的にゼロとなります。低価格部位については、現状の10分の1まで下がります。農水省は平成25年度の39%だった食料自給率を、令和7年度に45%に上げるなどと言っていますが、それを実現する気などありません。  食料自給で最も深刻なのは酪農です。所得の低迷によって国内の酪農家の廃業が相次いでいます。乳価を安定させ、個々の酪農家の利益を守るために機能してきた指定団体が改定畜安法によって廃止されたからです。これに乳製品の関税引き下げが加わり、酪農家は危機感を高めています。  2018年には、北海道のブラックアウトの影響で東京でも牛乳が消えました。これは決して一過性の問題ではありません。さらに酪農が弱体化していけば、店頭から牛乳が消えるという事態が実際に起きます。「日本の農業所得は補助金漬け」などと批判されることがありますが、日本は3割程度です。スイスは100%、フランス、イギリスも90%を越えています。
日本にだけ輸出される危険な食品
── アメリカ産牛肉は安全性も問題視されています。 鈴木:日本は、BSE(牛海綿状脳症)が問題となったため、アメリカ産の牛肉輸入を「20カ月齢以下」に制限していました。ところが、野田政権は2011年、TPP交渉への「入場料」として、「20カ月齢以下」から「30カ月齢以下」へ緩和してしまいました。  実は、24カ月齢の牛のBSE発症例も確認されているのです。しかも、アメリカのBSE検査率は1パーセント程度で、発症していても検査から漏れている牛が相当程度いると疑われます。また、アメリカの食肉加工場における危険部位の除去が不十分なため、危険部位が付着した輸入牛肉が日本で頻繁に見つかっています。「20カ月齢以下」は、日本人の命を守るための最低ラインなのです。しかし、安倍政権はアメリカに配慮して、2019年5月に月齢制限を完全撤廃してしまったのです。  また、アメリカ産の牛肉には、エストロゲンなどの成長ホルモンが使用されています。アメリカの乳製品も危険です。ホルスタインには、モンサントが開発した遺伝子組み換え成長ホルモンが使用されているからです。この成長ホルモンを注射すると、乳量が2〜3割も増えるとされています。アメリカでは、1994年に認可されましたが、1998年に勇気ある研究者が「数年後には乳がん発症率が7倍、前立腺がん発症率が4倍になる危険性がある」と学会誌に発表したのです。  その結果、アメリカの消費者が不買運動を展開、今ではアメリカのスターバックスやウォルマートが「当社の乳製品には成長ホルモンを使用していません」と宣言せざるを得ない状況になっているのです。ところが日本では、これほど問題になった成長ホルモンを使用した乳製品の輸入が野放しになっています。
スイスの食品流通に学べ
── 安倍政権には、日本の食の安全を守る気がありません。我々は、どのようにして食の安全を守っていけばいいのですか。 鈴木:2019年10月には、ゲノム編集食品の販売が解禁されました。しかも、表示義務もありません。2023年には遺伝子組み換えでないという食品表示も実質的にできなくなります。安倍政権は、世界に逆行するように、発がん性が指摘される除草剤成分「グリホサート」の残留基準値も大幅に緩和しました。  そして、貿易自由化が加速することによって、危険な輸入食品がさらに氾濫し、国産品を駆逐しようとしています。しかも、表示がなくなれば、安全な食品を選択することも不可能です。まさに今、日本の食の安全は瀬戸際に来ているのです。  我々がすべきことは、少々高くても、安全で安心なものを作ってくれる生産者と、それを支える消費者のネットワークを拡大することです。その手本となるのがスイスです。スイスでは国産卵は1個80円で、フランスから輸入しているものの6倍もしますが、国産の方が売れているのです。私の知り合いが、スイスの小学生の女の子に聞くと「これを買うことで生産者の皆さんも支えられるが、そのおかげで私たちの生活が成り立つのだから当たり前でしょ」と答えたそうです。  生協が食品流通の5割以上を占めるスイスでは、消費者が農協などと協力して生産者サイドに働きかけ、健康、環境、生物多様性などに配慮した生産を促しています。その代わりに、消費者は農産物に込められた多様な価値が価格に反映されていることを認識し、そのコストを分担しようという意識を持っています。食の安全を守りたいならば、日本もスイスを見習うべきです。
 
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