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脳回路と駆動物質
351551 魚類→両生類→哺乳類の進化と、オキシトシンに至るペプチドの変遷
 
麻丘東出 19/12/02 PM00 【印刷用へ
幸せホルモン(297174)と呼ばれる親和物質「オキシトシン」。この物質の起源は?

オキシトシンは、脳の視床下部で合成され下垂体後葉から分泌される、9個のアミノ酸からできたペプチド(小さなタンパク質分子)。
オキシトシンは、陣痛の誘発、乳腺を刺激して母乳分泌を促すことはよく知られており、出産、育児の母子関係に深く関わっている。
生命には防衛本能があり、侵入してくる異物を攻撃する免疫機能が備わっている。哺乳類は胎内保育することで環境適応したが、自らの子とはいえ同類他者の胎内の子は異物として免疫機能が働き攻撃する。それでは胎内保育ができないので、免疫機能を抑えるためにオキシトシンを分泌することで胎内保育を可能にしている。

◆無顎類:「バソトシン」 → 軟骨魚類・甲冑魚類:「イソトシン」 → 両生類:「メソトシン」 → 哺乳類:「オキシトシン」。

脊椎動物は、オキシトシンの構造に類似した2種類のペプチドの系統をもつ。
C末端(リンク)から二番目が中性アミノ酸のものは「イソトシン−メソトシン」系統、また塩基性アミノ酸のものは「バソトシン」系統に分類される。
脊椎動物で最も原始的な無顎類がバソトシンだけをもつことから、約5.5億年前カンブリア大爆発のあと魚類が登場する4.8億年前頃に、バソトシン系統からイソトシン−メソトシン系統が分化したと考えられる。
そして、魚類では「イソトシン」、両生類・爬虫類・鳥類では「メソトシン」になる。

魚類のイソトシンは、体液浸透圧の調節に利用されており、陸上に進出した後も体内の水分調節に関与している。
また、オキシトシンと同じ下垂体後葉から「パソプレシン」というペプチドが分泌され“抗利尿”として使われている。
抗利尿作用は、腎臓での水分再吸収を促進し、尿の量を減少させ水分排出を抑えて体内の浸透圧を下げる役割をする。
このことから、海中から淡水が混じる汽水域に追いやられた魚が、体液浸透圧を調節し、外から入る淡水を体外に排出して体内の塩分濃度を一定にするのに、イソトシンとパソプレシンが関与していると考えられる。

そして、魚類から陸に進出する両生類への段階で、体内の水分を維持する機能として、イソトシンとパソプレシンが重合(?)しメソトシンに進化したと考えられる。
そして、両生類から哺乳類へ進化する段階で、胎内保育と授乳機能として、メソトシンからオキシトシンに進化したと考えられる。

「脊椎動物」の魚類→両生類→哺乳類の進化は、オキシトシンに至るペプチドの進化と相関関係にある。
 
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