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社員の活力を引き上げるには?
350914 なぜ「事実」と「意見」を区別して話せない人がいるのか。
 
大崎 ( 26 千葉 会社員 ) 19/11/08 PM05 【印刷用へ
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過去に部下だった人のひとりが、ちょうど「事実」と「意見」の切り分けができない人だった。

例えば、こんな具合だ。

「昨日の営業、途中退席してごめん。お客さん、ウチに依頼するか、決めてくれた?」
「大丈夫だと思います。」
「大丈夫って……決まったのか、決まってないのかが、知りたいんだけど。」
「あ、まだ決まってないです。」
「そうか、決まるかなと思ってたけど……。お客さん、何か懸念事項について言ってた?」
「金額について不満そうでした。」

 
「もう一度聞くけど、不満だと「言った」の?」
「いえ、たしか……言ってないかと。」
「じゃ、なんで不満だと言えるの。」
「えーと…」
「もう一度聞くけど、なんて「言ってた」?」
「ええー……確か、金額については交渉の余地がありますか、と言ってました。」

「交渉ね……、なんて回答したの?」
「私の一存で決められませんので、持ち帰りますと。」
「そしたらお客さんはなんて言った?」
「納得してくれたみたいでした。」


「だ、か、ら、お客さんはなんて言ってたの?」
「あ、すみません。えーと……確か、わかりました、と言ってました。それと、今思い出したんですけど、見積もりを指定の様式にして欲しいとも言ってました。」

彼から話を聞くと、状況を把握するのに通常の3倍の時間がかかる。

何度かこのようなことが続き、私は彼に訓練を施して、きちんと「意見」と「事実」を区別できるように話せるまで、現場を任せてはいけない、と感じた。

「人は、出された質問が難しいと、それを簡単な質問に置き換えてしまう」

という、人間の脳のつくりに依る。



では、このようなコミュニケーション特性は直るのだろうか。

個人的な考えでは「直すことは可能」である。

というのも、これは「賢さ」というよりも「注意力」の問題だからだ。

ダニエル・カーネマンによれば、ヒューリスティックは脳の「早い思考システム」(≒直感的なもの)が担当している。

だが、それを口に出してしまうと「意見」を言ってしまう。

だから、それが「意見」か「事実」かを検証するために、脳の「遅いシステム」(≒論理的なもの)の方を使えば良い。

つまり、注意力を働かせて、「回答しようとしたことをチェックする訓練」を受ければ、直すことは可能だ。

コンサルティング会社で働くには、これができないと致命的なため、新人の時には上司から事あるごとに矯正された。


報告がわかりにくい時 → 「結論から言って。」
話がまとまっていない時 → 「これに書いてみて。」
上司やお客さんに大事なことを伝える時 → 「言葉にこだわって。」
記憶があいまいな時 → 「会議や営業の記録は必ず当日中にまとめなさい。」

この4つだけでも、かなり「回答する時に注意する」ことに繋がり、結果としてこれは、「事実」と「意見」を区別する訓練にもなる。

また、その時に上司にとても感謝したのは、「早くしろ」と急かされなかったことだ。
私の考えがまとまるまで、紙に書き上がるまで、上司は10分でも、20分でも待ってくれた。

上司のスケジュールの過密度を考えれば、本当に感謝しかない。
 
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