この記事の読者は累積969人です。
 
宇宙・地球
350092 「地磁気逆転」に異常な活動期、100万年で26回
 
穴瀬博一 ( 30 会社員 ) 19/10/10 AM00 【印刷用へ
以下引用
(リンク
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 大昔、地球のN極とS極が入れ替わる現象は、今よりずっと頻繁に起きていたらしい。シベリア北東部の岩場で調査を行ったフランス、パリ地球物理学研究所のイブ・ガレ氏らは、その証拠をつかんだ。
 彼らが9月20日付けで学術誌『Earth and Planetary Science Letters』に発表した論文によると、ちょうど5億年ほど前のカンブリア紀中期(ドラム期)に、100万年あたり26回のペースで地磁気が逆転していたという。これは、過去1000万年間と比べると5倍以上のペースだ。
 地球を包む地磁気は、常に太陽から降り注ぐ放射線から私たちを守っている。地球の46億年の歴史の中で、地磁気の向きは何度も逆転し、北磁極と南磁極が入れ替わってきた。
 地磁気の逆転が、かつて考えられていたよりも頻繁に起こりうることを示唆する証拠は、数多く集まってきている。米フロリダ大学の古地磁気学者ジョゼフ・メールト氏は、今回の結果もそうした証拠の1つだと言う。なお氏は今回の研究には関わっていない。
 かつての地磁気を示す記録は、こうした研究により少しずつ穴が埋められていて、逆転のタイミングや原因の解明に役立つだけでなく、古代にあった激しい変動が初期の生命に及ぼした影響まで教えてくれる可能性がある。

□この78万年ほどは逆転していない
 地磁気が生じるのは、地下2900kmほどの深さにある地球の外核で、液体の鉄とニッケルが流動するためだ。地磁気の向きは、小さな方位磁針がそのまま凍りつくように、堆積岩や火山岩ができる際、それらに含まれる鉄分の多い鉱物によって記録される。
 こうして岩石に刻まれた記録から、地磁気はこの78万年ほど逆転していないことがわかっている。一方、過去には約20万年ごとに逆転していた時期もあった。長い間逆転がなかった時期は大昔にもあり、例えば約1億年前の白亜紀には、4000万年ほど地磁気がほとんど動かなかった。
 地磁気の逆転はどのくらい頻繁に起こりうるのだろう? ガレ氏らは答えを求めて、ヘリコプターとゴムボートを乗り継ぎ、最後は徒歩で危険な崖を訪れた。約5億年前のカンブリア紀中期のなかでも、まだほとんど調査が及んでいない時期に形成された地層だ。ここの岩石は、はるか昔に暖かく浅い海だった頃に、砂が磁性鉱物を閉じ込めながら堆積してできたものだ。
 ガレ氏らは2000年代初頭にこの地を初めて訪れ、ほぼ垂直に切り立った崖から119点のサンプルを採取し、分析した。その結果、カンブリア紀中期に、地磁気の逆転が100万年あたり少なくとも6〜8回起きた時期があったことがわかった。
「これほど頻繁な逆転は予想していませんでした」とガレ氏はメール取材に答えるた。当時は4、5回でも多いとされていたのだ。
 この結果が気になった彼らは、もっとサンプルを採取しなければと考えた。2016年の夏に現地を再び訪れて、今度は10〜20cmごとに岩を切り出し、550点の小さなサンプルを採取した。分析してみたところ、300万年の間に、地磁気は78回も逆転していたことが判明した。
「かなり大きい数字になるとは思っていましたが、ここまでとは思っていませんでした」とガレ氏は言う。しかも、22回も逆転が記録されていた岩があり、実際の頻度はさらに高かった可能性が示唆された。

□次なる活動期に向かっている?
 とはいえ、地磁気の変化に周期性があるように見えるのは興味深い。1億5000万年ごとに、地磁気が逆転しなくなる期間が長く続くのだ。それ以外では、100万年に5回のペースで地磁気は逆転し、その間にはさらに異常に活発な活動期もある。
 この大まかな周期性から言うと、現在は次なる活動期に向かっているのかもしれないが、まだ不確かな点が多いとメールト氏は言う。それに、たとえ地磁気の逆転が近いとしても、磁極は何千年もかけて移動していくものなので、人間の尺度からすれば非常に遅い変化だ。
「映画のように、昨日は北を指していたコンパスが今日は南を指しているというようなことはありません」とメールト氏。
 これらのパターンを読み解くうえで大きな問題となるのは、まだ地磁気の状況がわからない年代があることだ。今回のカンブリア紀ぐらい古い岩石となると、通常は大陸どうしの衝突によって破壊され、変性してしまうため、記録の多くが不明瞭になってしまうとファン・デア・ブーン氏は説明する。氏は、地磁気の逆転が頻繁に起きていた可能性がある、さらに希少な約4億年前の岩石記録を調べている。
「彼らのデータがうらやましいです。本当に良いデータだと思います」と氏は言う。
 今回の研究者たちは困難な状況下でベストを尽くしたが、これが本当に地球規模で起きた出来事だったと証明するには、ほかの地域からの証拠による裏付けが必要だとドイツ、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンの地磁気学者フロリアン・ルイリエ氏は指摘する。また、堆積岩だけでなく火山岩の記録も見たいと話す。形成時に粉砕・圧縮され、変性することもある堆積岩では、地磁気の記録が影響を受けている可能性があるからだ。
 とはいえ今回の研究は、大昔の地球の活動の激しさを垣間見せ、取り組むべき新鮮なデータをたっぷり提供してくれた。リバプール大学の地球科学者コートニー・ジーン・スプレイン氏は、データをコンピューター・モデルと比較してみたいと言う。「いくつかのモデルを走らせて、その意味を考えたいと思います」
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_350092
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献


『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp