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共認心理学:現代の精神病理
343227 なんでバイトテロ,バカッター・・・は起きる?
 
小平健介 ( 40代 埼玉県春日部市 専門職 ) 19/02/09 PM10 【印刷用へ
昨年から半年、バイトテロ,バカッター・・・バイトが職場での悪ふざけをSNSでまき散らすといった事件が続発している。企業にとっては頭が痛い問題だと思う。しかし、報道ではひたすら若者を粛正するかのような指摘や企業がリスク対策をとるような論調しかなく、解決するとは思えない。

そういう意味では、以下の記事は、若者の意識とSNSの構造そのものに焦点を当てている。
若者は友人が仲間がなによりも大事と言いながら、その繋がりは表面的で希薄だ。だから常に孤立する不安がある。だから、友人に「ウケる」ネタをつくりだそうとする。善悪よりも優先なのだ。さらに、SNSはその「孤立する不安」を煽る構造になっている。要は、バイトでテロを起こすことが目的ではないのだ。

このことにメスをいれなければ、バイトテロやバカッターはなくならない。
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「バカッター」「LINE既読」問題はなぜ起こる?ソーシャルメディア時代の同調圧力
リンク

(前略)
ソーシャルメディアのタイムラインは孤立不安をあおる設計になっている
(中略)
――なるほど。では、「彼らの行動原理」の話をしたいのですが、先日、広島で16歳の少女が殺人・死体遺棄された事件で、仲間内のLINE上での口論が発展し、殺人に至ったと報じられています。そこから見えるのは、仲間内のルールが社会規範よりも優先されるという現状です。バカッターの件も含め、仲間内での「認めてほしい」という行動がエスカレートするケースが多いように思います。

 社会学的には、「彼らは善悪の区別がついていないのだ」という説明は誤りです。エミール・デュルケームという社会学者が言っていることですが、何が逸脱行動であるかを決めるのは社会の規範の方です。今回のようなケースで言えば、彼らは何が「悪いこと」に当たるかを理解しているからこそ、そこから“逸脱”することができるわけですね。つまり、アイスケースに入ったり、調理中の食材を粗末に扱うことは悪いことだと分かっているからこそ、そこを逸脱することで、自分の関係している集団、友達に対する「ネタ」になるということが共有されていなければ、ああした行動は意味をなさない。重要なのは善悪の区別ではなく、「悪いこと」だと分かっているけど、友だちに「すごいだろ!」って見せつけたいという気持ちが優先されてしまうということの問題です。

――確かに彼らは悪いことと分かってふざけていますね。モラルをはみ出すチキンレースになっていくと、どんどん危ない方向に行きますよね。で、そのモラルをはみ出すスピードが、ソーシャルメディアなどで加速している気がして、それが現在の問題なのではないかと思っています。

 ソーシャルメディアがこうした行為のエスカレートに寄与しているかどうかは、判断が難しいところです。あり得るとすれば、バイト先での仕事よりも友だちからの承認を優先させてしまうことではないかと。

 まず「ソーシャルメディアと承認」ということに関して言えば、承認不安と言って良いかはわかりませんが、『孤立不安』というものがあります。“ソーシャルメディアにアクセスしている人は寂しい人”という説明をよく耳にしますよね。しかしケータイメールなどの研究で明らかになったのですが、本当に寂しい人はソーシャルメディア上に友人がいないし、メールを送る相手もいない人なんです。メール頻度の多い人というのは、メールを送る相手もたくさんいる人ですよね。

 じゃあ、なんで友達もたくさん居るのにメールをたくさん送り続けてしまうのか。それは自分が一人のときに、友達が私をハブって(無視して)遊びに行っているんじゃないかという不安があるから、というのが複数の研究で言われていることです。つまり孤独であることの不安ではなく、孤立することへの不安。こういった不安はソーシャルメディア上でも起こると言われていますし、微妙にメールとは違うメカニズムで孤立不安があおられているという指摘もあります。

 TwitterやFacebookなどには、“タイムライン”というものがありますよね。タイムラインというのは、フォローしている他人の話が時系列で表示されてくる仕組みです。いわば「強制的に自分の画面に割り込んでくる他人の情報」なんですが、実はタイムラインをじっくり見ることができるのは、1人のときなんですね。

 そこで、『誰々が誰々さんとどこそこにいます』、『ステータスを“交際中”に変更しました』とか表示されてしまうことで、人が「リア充」になっている瞬間を常に目撃させられてしまっているのがタイムラインの特徴で、その結果として孤立不安があおられるわけです。友達と一緒にいるときは居場所があるんだけど、一人になった途端に不安になる。だから、ここで足りていないのは承認の量と言うよりも、時間的な継続性の問題です。
(以後略)
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(引用以上)
 
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