この記事の読者は累積12514人です。
 
脳回路と伝達物質
342425 我々が夢を見る10の理由、科学者たちの仮説
 
匿名希望 19/01/12 AM02 【印刷用へ
今日の私たちよりも生命の危険が日常茶飯事だった私たちの祖先、原始人類。
彼らはどんな夢を見ていたのか?、そしてその回路はどのように我々に引き継がれているか。


我々が夢を見る10の理由、科学者たちの仮説

リンク

1.充足願望
まずは20世紀初頭に精神分析学者のジークムント・フロイトがとなえた説。多くの患者の夢を分析した結果、夢とは満足したいという願望の表れだという仮説にたどりついた。
今日でも多くの研究者たちの支持を得ている。恐ろしい夢も含めて、どんな夢でも、あなたが望んでいるなにか(文字通りでも、象徴的でも)を得るためである可能性があるという。

2.無秩序な神経インパルスの偶然の副作用
フロイトの考えに賛成するなら、夢のせいで自分でも気がつかなかった願望や感情が明らかになるというのは意味深い。しかし、夢をみるのは、実際は脳幹の活動や、感情や知覚、記憶に関わる大脳辺縁系の刺激による一時的記憶喪失という偶然の副作用であるとする学派もいる。この考えを広めた精神科医のアラン・ホブソンは、これを活性化合成説と呼んだ。要するに脳はこれらのランダムな信号を解釈しようとした結果、夢をみるのだという。
この説が特に興味深いのは、人間がランダムで無秩序な世界を意味あるものにするのに、なぜ物語形式の手段をとるのかを説明する助けになるかもしれないことだ。それぞれストーリーはまるで白昼夢のようで、私たちがまわりの世界から受け取っている支離滅裂なシグナルを隠すための手段なのだという。

3.短気記憶を長期記憶に暗号化する
おそらく夢は、神経インパルスが作り出す支離滅裂な物語なだけなのかもしれないが、そこにはなにか理由があるはずだ。この考えを掘り下げるために、精神科医のJie Zhangは、私たちの脳は覚醒・睡眠に関わらず、常に記憶を蓄積していることに注目して、夢の継続的活動説を提案した。
 
夢はいわば意識の仮貯蔵庫で、短気記憶を長期記憶の保管庫に移す前に、一時的にためておく場所だというのだ。記憶は私たちの記憶のファイルの中に仕舞い込まれる前に、夢として心をよぎるのだ。

4.ゴミ収集処理
リバースラーニング説と呼ばれるこの考えは、日々私たちの脳の中で作られる好ましくないつながりを排除するために夢をみるというものだ。
基本的に夢は、心の中から不必要な考えを一掃して、いい考えだけを残そうというゴミ収集処理のメカニズムである。

5.学んだことを整理統合する
逆に忘れるのではなく、むしろ記憶するために夢をみるというこの考えは、学んだことを夢にみると、より記憶が確実なものになるという多くの研究結果によるものだ。Zhangの長期記憶説のように、夢は私たちが学んだことを蓄えておくのに役立つというのだ。

6.死を演じる防衛メカニズムの進化的な副産物
死んだふりをする動物と、夢をみる人間の強い類似性を示した研究をベースにして、夢をみることは、持続的不動つまり仮死状態といった、太古の昔からの防衛システムに関係しているのではないかという。
夢をみているときの人の脳は、覚醒しているときの脳とは決定的に違う。体の動きや活性化と関係のあるドーパミンのような化学物質が完全に停止してしまうのだ。これは、動物が天敵に自分は死んだと思わせるため、一時的に体を麻痺状態に陥らせるのと似ている。夢をみるという行為が、私たちの体を維持するための防衛メカニズムの別の形として生まれた可能性はある。だから、人間は仮死状態に陥らなくていい生き物に進化したのだ。

7.脅威のシミュレーション
夢は死を演じる行為だという仮説は、フィンランドの哲学者で神経科学者のアンティ・レヴォヌスオがとなえた。夢をみることの生物学的役割は、脅威のある出来事を真似て、繰り返すことによって、脅威の感覚や回避をリハーサルし、覚醒時でもうまく脅威と向きあうことができるという。結果として、こういう生き残りの方法が残っていき、それが遺伝子的に伝わったというわけだ。

8.問題の解決
レヴォヌスオの考え方に基づいて、ハーヴァード大の医療研究者デルドレー・バレットは、夢は覚醒しているときよりも効果的に問題を解決できる舞台のようなものだという。眠っているときの心はより早く結びつくからだというのがその理由の一部だが、この仮説は、人にその問題を一晩考えて解決させるという実験に基づいた結果もの。夢をみたほうが問題解決の結果はよかったという。

9.夢に関するダーウィン説
夢は精神生活や心の内の物語にランダムな変動を与え、こうした変動やバリエーションの中から心が取捨選択をし、新しい考えや創造や自己認識やその他の精神機能が生み出される。
基本的に夢は、考えの自然淘汰だ。これは愛という感情にも拡大解釈できる。夢とは私たちがある状況を体験し、その状況に対する一番合った感情的な反応を選択しようとする場所なのだという。だから、一晩寝た後の翌朝は、辛い問題について少し気持ちが晴れることが多い理由でもある。

10.辛い感情を象徴的な関連性で処理する
ダーウィン説は、夢をみることは私たちに積極的に考え方を変化させ、不適応な 感情を取り除く行為であると言っているが、新しい説では、私たちは積極的に順応した考えや感情を選んでいるわけではなく、ただ体験した考えや感情を、心理的背景に置き換えているだけだという。脳は感情と象徴を結びつけることでよくこういうことをする。精神科医で睡眠障害の専門家エルンスト・ハートマンは、これを単に夢の最新理論と呼んでいる。
 
  List
  この記事は 342266 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_342425
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献


『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp