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生物学を切開する
337161 隠された造血の秘密
 
中村英起 18/07/12 AM00 【印刷用へ
『隠された造血の秘密』腸管造血説と幻の造血幹細胞
リンク より

「隠された造血の秘密」(酒向猛著、Eco・クリエイティブ)を読み終えた。「千島喜久男は時代を超越した天才」と私は以前から思っているが、本書によってその確信を深めるばかりとなった。

Sさんが「腸管造血説を中心に生物学の歴史をまとめた本という感じでした。」と述べたとおり、近代医学における幹細胞研究や造血説の解説に多くのページが割かれている。造血幹細胞研究の歴史は”悲惨なものだ”という感想をもった。

中心をおさえていないために(基礎の考え自体が間違っているがために)、枝葉の部分ばかりを大きく膨らませてしまい、ついに巨大迷路を作った状態となっているのである。膨大な研究が行われてきたにもかかわらず、造血幹細胞の正体は未だにまったくわかっていないのだ。軽薄な流行研究をふわふわ追い求めては失敗を繰り返してきたのであった。
(千島学説を黙殺してきた当然の帰結といえるが。)

その一方で、現代医学が信奉する骨髄造血を明確に否定した森下敬一博士の実験があった。森下氏は国会の場でも千島学説(腸管造血説)や自らの実験の有効性を発言。さらに千島や森下らは骨髄造血の数々の矛盾点を指摘している。

現代医学者は固定観念としかいいようのないセントラルドクマ(中心原理)に犯されてしまっているといえる。

酒向(さこう)博士は「幹細胞の可塑性は千島の学説を証明するか?」で次のように述べる。p.284

「確かにパラダイムシフトの時代であるから、馬鹿の一つ覚えのお題目のように細胞分裂万能説をいつまでも唱えていたのでは時代遅れになりそうである。例えば、脳の神経細胞が再生しないと考えられてきたのは、そこに細胞分裂像がほとんど存在しないからである。細胞分裂像がない臓器は再生しないと考えられていたのである。しかし、放射線被曝マウスや組織培養の実験では神経細胞幹細胞が証明され、神経細胞が他の細胞に分化したり、他の細胞から神経細胞に分化してくる事実が証明されたのである。

・・・・・・・・・・

これを見ると、千島が1950年代に唱えた「すべての組織細胞は可逆的分化能をもつ」という学説が徐々に証明されて真実味を帯びてきたように見えるのである。」
酒向博士は、医学者としての冷静さを保つことに注意を払いながらも、千島学説を完全に支持しており、現代医学に千島学説を加えることで今の混迷が一挙に解消されることを説いている。

そして、「プリオン説はほんとうか?」(福岡伸一著、講談社ブルーバックス)で、プルシナーを批判し、彼のノーベル賞受賞は間違いだったのではないかとぶった福岡伸一氏自身が、なんと現代医学のセントラルドグマに毒されていた可能性があるのである!
「プリオン説はほんとうか?」に批判を加えた11章「プリオン学説によるセントラルドグマ崩壊の危機」は一読に値する。
カラクリの裏にさらに別のカラクリが隠されていた・・ということのようである。

さらに驚いたことに、酒向博士は、なんとガストン・ネサーンを稲田芳弘氏らと訪ね、そしてネサーンが発明した超高分解能顕微鏡ソマトスコープを覗いていたのだ!超微小生命体ソマチッドを観察しているのである。
引用する。p316

「2009年6月、私は作家である稲田芳弘氏のグループとカナダのモントリオール郊外のシェルブルックにあるネサーンの研究室を訪れ、世界に一台しかないソマトスコープで生きた血液を観察するという、千載一遇の機会を得ることができた。

ソマトスコープで採血直後の生きた血液を観察すると、美しい群青色の背景の中で無数のソマチッドが蠢いている様子を生々しく観察することができる。現代の生物学はそのような存在は一切認めておらず、血液中でゴミがブラウン運動をしているものであると結論している。しかし実際にソマトスコープで血液を観察した後に、ネサーンがソマチッドと呼んだ存在をゴミであるなどと考える人間がいたら、その人の知能程度は幼稚園児レベルであると言いたい。小学生でも、何かの生き物が動き回っていると答えるに決まっている。ソマトスコープを一度でも見れば、
「現代の生物学がその根底から間違っている」という現実が痛いほど実感できるのである。」

酒向氏は大学院時代、生体サンプルを顕微鏡で観察されていた際、さかんにゴミのようなものが動き回っているのを見ていた。それを先輩に聞いても「多分、ゴミが入ってブラウン運動をしているだけだよ」という答えしか得られなかったそうである。

分解能の低い顕微鏡では明確にはわからなかったのだろうが、酒向氏は生命体が自らの意思で動いているように見えたそうだ。
そんな経験をもつ酒向氏がソマトスコープを覗いたときの衝撃はどれほどのものであったろうか。

ネサーンによれば、ソマチッドは16段階にその形態を変化させる”ソマチッドサイクル”を示し、その形態変化を観察することにより人間の免疫力の状態を把握できるそうである。ソマチッドの状態は人間の健康のバロメータと言えそうだ。

千島学説とネサーンのソマチッドは大いに関係している。

学者はなにをもたもたしているのか。

(引用終わり)
 
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338999 「muse細胞」が凄い 匿名希望 18/09/11 AM01

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