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アメリカ:闇の支配構造と略奪戦争
332621 お金持ちが自治体を作る!?〜独立する富裕層〜
 
廣渕一志 ( 中年 福岡 技術者 ) 18/01/10 PM08 【印刷用へ
個人第一主義の米国で起きている状況。個人主義の成れの果て。一人では生きていけないだれもが感じているはずなのに・・・。
少し前の記事ですが以下引用させて頂きます。
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■富裕層が自治体を変え始めた米国
米国の行政区分は分かり難いですが、大まかに言えば州の下に群があり、その下もしくは同列に市(city)があります。ところが最近、驚くべき事が起きています。この市、つまりCityが郡から独立するという事態が相次いでいるのです。

独立しているのは、100万ドル以上の資産を持つとされている富裕層が暮らす高級住宅地域です。彼らは所得の再配分を不満とし、自分たちで市の境界線を決めて独立し始めたのです。つまり、高い税金が自分たちへのサービスよりも貧困層に使われている、という不満です。独立は法的には可能なことで、富裕層は郡の上位にある州議会に働きかけ、住民投票を行った上で合法的に独立しています。しかも彼らはビジネスの手法を公共サービスの運営に応用することで運営コストを半減させ、減税までをも実現しようとしています。その一方、富裕層に独立されてしまった郡は税収が減少し、福祉サービスなどの予算を削減せざるを得ず、貧困層の生活がダメージを受け始めています。
(途中略)

■富裕層の不満
例えばジョージア州では、3月に新たな自治体の設立が議論されました。法案を提出したのは富裕層の住民達です。彼ら富裕層は、自分たちの税金が自分たちに使われていないことを述べ、自分たちで作った自治体であれば、より効率良く税金を使うことができる、と主張しています。しかし反対派は、この法案は有色人種や貧困層を隔離するためのものだとして反発しています。
(途中略)

■富裕層による自治体の誕生
それではこの「成功例」と言われているサンディ・スプリングス市は、どのように運営されているのでしょうか。

ジョージア州が法律で決めたサンディ・スプリングス市の財源は豊かです。富裕層が払う固定資産税の15%、売上税の一部、酒税など、2013年の税収は日本円で約90億円となり、州内トップクラスの財源をもつ自治体となっています。財源が豊富なだけではありません。彼らはビジネスの手法を市の運営に取り入れ、ほぼ全ての業務を民間に委託しました。市民課も税務課も、建設課や裁判所まで民間に委託しました。例外としたのは警察と消防程度です。

その結果、たった9人の職員で市の運営を賄うことに成功したのです。このコスト削減効果は驚異的な成果です。なぜなら同規模の他の自治体であれば、職員数は数百人必要だとしているからです。そして市の運営費は当初予想していた半額に抑えられ、それでも住民を守るサービスなどは以前より手厚くなっているのです緊急センターでも10秒以内に電話を取る義務などが実施され、警察や消防は90秒で出動します。

市民はこのような公共サービスを高く評価し、このモデルを成功例と見た全米の富裕層が移住してきているため人口が増加し、さらに税収が増加するという豊かさへの循環が起きています。
(途中略)

■広がる格差社会
サンディ・スプリングス市という富裕層の理想郷が独立した市(City)になることは合法です。つまり、後を追って次々と富裕層が貧困層を切り捨てて独立していく動きが加速する可能性があります。このように、自治体の運営を民営に委託する仕組みは、国家や自治体が相互扶助として税金を出し、公共サービスを賄うという感覚を無くし、公共サービスは契約として金で購入するのが当然である、といった社会が台頭していきます。同時に、富裕層が去った自治体は、公共サービスを維持できないすさんだ社会を生み出していきます。

つまり、米国という一つの国家の中に、2種類の社会が現れるという、まるでSF映画の様な状況が生まれつつあります。片方では高レベルのセキュリティーや高品質の公共サービスが提供される豊かで安全な地域があり、片方では犯罪が跋扈し、治療も満足に受けられない荒れ果てた地域が増加しているのです。例えばサンディ・スプリングス市の近隣には、既に刑務所さえ維持できなくなりつつ有る地域が出てきています。近い将来、囚人達は街に解き放たれるでしょう。しかし既に警察官は失業していますから、非常に危険な街が生まれ出されつつあります。そのような地域では、公共教育も賄えなくなっていますので、教育を受けられないまま成人した住民達が仕事も得られずに、ますます犯罪に走るでしょう。一方、富裕層の自治体では、そもそも公共教育など不要で、各家庭が十分に子供達に高額な教育を受けさせることが可能です。

このように、同じ国の中で、地域格差が激しくなっていこうとしているのです。

■富裕層が変貌させる国家観
米国は岐路に立っています。オバマ大統領は1%対99%の分断を無くす政策を進めたいとしています。しかし1%の人々は、それは不公平だとして独立しようとしています。ここにはもはや国家という観念が薄くなっている様に思えます。理想郷として自治体を独立させた富裕層には、もはや貧困層の人々を同じ「国民」として見る事ができなくなりつつあるのではないでしょうか。ナショナリズムが喪失しようとしているように見えます。米国での出来事は、自治体に競争原理を持ち込もうとしている道州制を目指す日本にとっては、未来の姿かもしれません。
(引用終わり)
 
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