日本古来の「職人の伝統」が引き継がれていると感じられる企業の紹介です。
リンクより
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○中国よりも安く作れる
こういう職人たちが「こんな歯車が作れないか」という注文を受けると、金型から成型機から、製造条件まですべてを社内で準備して提供する。そしてその製造条件通りやれば、すべて良品ができあがるので、検査は不要だという保証をしている。
また金型と設備一式を売るときには「アフターサービスはいたしません」とあらかじめ断る。5年間は故障しないから、樹研からの点検も修理も必要ない、という自信があるからだ。
不良なし故障なしというのも、100万分の1グラムの歯車でも作ってしまう桁違いの技術力があるからこそ実現できるのである。
不良も故障もなければ、設備を動かしていても、人手がかからない。従来の成型機だと20台に人間が最低2人は必要だったが、樹研の設備なら100台の機械を一人で動かせる。人生産性は10倍である。その上に不良は出ない、電気代も4分の1ときたら、中国よりも安くものが出来る。
こうなれば、中国の企業がどんなに頭をひねっても、日本の部品を使うしかない、という状況になる。中国企業はもはやライバルではない。いいお客さんなのである。
○「下請け」ではなく「パートナー」
日本の大企業は、中小企業を「下請け」として見下す事が多いが、欧米企業は違う。どんなに小さな企業でも、一流の技術には敬意を払う。ドイツの自動車部品メーカーから特殊な金型と専用成型機3台の注文がきた。完成すると、先方の社員に設備の使い方を指導して欲しい、との依頼があった。
一日の指導料はいくらか、という問い合わせのメールがあったので、さんざん迷ったあげく、吹っかけられるだけ吹っかけてしまえと、「一日5万円でいかがですか?」と返事をした。日本では指導してもお金をくれた事がないのである。翌日、返事が来て、「最初の取引だからそんなにサービスしてくださるのか? 次回からはもっと要求していただいて結構だ」とあった。先方は1日5万円とは安すぎると驚いたのである。
旅費も先方持ちで、飛行機はビジネス・クラス、ホテルも現地の5つ星クラスの最高級ということだった。松浦社長はそこまでしてくれなくても良いと先方に言い、ランクを落として浮いた費用でもう一人専門家を追加派遣してやったら、先方は大喜びだった。
このドイツの部品メーカーの社長と副社長が、来日して樹研を訪れて、こう言った。
実は、ヨーロッパの型屋とは全部縁を切ることとした。ついては御社とだけ取引をしたい。納期と値段についてはどこまでも相談に乗るから、どんなことがあっても、うちの仕事を受けてくれ。うちの仕事だけは断らないでくれ。
さらに「樹研工業はうちのパートナーだと言ってもいいか」とまで聞くので、松浦社長も感激した。一流技術があれば、企業の大きさなど関係ない。一流のパートナーとして扱ってくれるのである。
小さな町工場で働く工業高校卒の元暴走族でも、世界を相手に堂々たるビジネスができる。日本人が古来から大切にしてきた職人の伝統が、現代のハイテク社会でますます存在感を発揮しつつある。デフレもグローバル化も高齢化もどこ吹く風と、逞しく世界を闊歩する日本企業の明日の姿を樹研工業は示している。 |
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