この記事の読者は累積184634人です。
 
心の本体=共認機能の形成過程
311356 未知なる世界への収束と追求:共認機能の創出
 
岡田淳三郎 ( 70代 大阪 経営 ) 16/01/14 AM11 【印刷用へ
生きとし生けるものは、全て、外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。従って、全ての生物にとって、外圧の把握が最先端の課題となるが、動物にとっては、獲物であれ敵であれ、それらは本能に対応した、言わば常態的な外圧であり対象である。
なぜなら、もともと本能は外圧に適応すべく形成されてきたものであり、従って本能と外圧は整合している。従って、本能を主体とする動物たちは、基本的に外圧と整合した世界で生きていると言えよう。

しかし、サルになると、世界は一変する。
サルは、足の指で枝を掴めるように進化したことによって、陸・海・空とは別の樹上という第四の世界を手に入れた。そこには、栄養価の高い果物や木の実がふんだんにあり、外敵に襲われる危険も少ない。かくして、樹上に棲息することによって最高の生産力と防衛力を手に入れたサルたちは、忽ち森林という森林を埋め尽くしてその食料限界まで繁殖していった。
しかし、樹上を埋め尽くして繁殖したサルたちは、絶えざる縄張り侵犯に頭を悩ませることになる。彼らの前に現れた世界は、同類同士で縄張り闘争を繰り広げるという、他の動物には見られない同類闘争の世界である。しかし、本能は、異種間の闘争に対応するために形成されたものであり、同類闘争に対応する本能など存在しない。かくして、サルたちは、本能では対応できない不整合な世界(未知なる世界)に足を踏み入れることになった。

同類闘争という未知なる世界に直面し不整合感に苛まれることになった原猿たちは、この未知なる外圧に適応すべく、その不整合な世界の把握⇒探索・追求へと本能などの全機能を一点に先端収束させた。
その未知なる世界とは、まさに同類の世界そのものであり、原猿たちは、未知なる世界の突破口(=整合の可能性)を同類=仲間に求め、仲間をとことん注視する。そして、互いに「どうする?」と相手を注視し続ける内に、遂に、相手も同じく自分に依存し期待している事を発見し(探り当て)、互いに、相手の課題⇒期待を自己の課題⇒期待と同一視し合うに至った。
自分以外は全て敵と思い、いつ襲われるか分からない状況下で怯えていた原猿にとって、「相手も同じく自分に依存し、期待しているんだ」という事を共認し合えた意味は大きく、双方に深い安心感を与え、互いの不全感(=不整合感)をかなり和らげることが出来た。
この様に、不全感を揚棄する為に、相手の課題=期待を自己のそれと重ね合わせ同一視することによって充足を得る回路こそ、(快感物質β−エンドルフィンを情報伝達物質とする)本能を超えた共認機能の原型である。そこでは、相手の期待に応え充足を与えることは相手に期待し充足を得ることと一体である。従って、相手の期待に応えること自体が、自己の充足となる。
共認機能の真髄は、そこにある。共認の生命は、相手(=自分)の期待に応合することによって充足を得ることである。
こうして、未知なる世界に直面したサルたちは、その唯一の開かれた可能性=共認機能が生み出す共認充足へと収束することによって、はじめて不整合な世界を整合させることができた。
(赤ん坊が、母親の胎内で本能的に整合していた状態から、産まれた瞬間に全く未知なる世界に放り出され、どうすればいいのか全く分からない中、まず最初に充足(母親の笑顔など)に可能性収束するのも、原猿が共認充足へ収束した構造と同じである。)

もちろん、親和共認(スキンシップなど)によって不全感を和らげただけでは、縄張りを確保することはできない。そこでサルたちは、唯一の開かれた可能性である共認機能にとことん可能性収束することによって、縄張りの確保という課題を共認し、互いの評価と役割を共認し、守るべき規範を共認するレベルにまで共認機能を発展させ、遂に縄張り闘争を闘う闘争集団を形成した。それが、真猿である。
言い換えると、真猿集団は、縄張り確保という課題共認⇒評価共認⇒役割共認⇒規範共認という一連の闘争共認を形成することによって、はじめて同類闘争という未知なる世界を突破する(=不整合な世界を整合させる)ことができた。

ここまでの流れを整理しておこう。同類闘争という未知なる世界に直面して、まず原猿が親和共認の機能を形成し、それを母胎にして真猿が闘争共認の機能を形成した。ここで最も重要なのは、原猿も真猿も、不整合な=未知なる世界に直面して、互いに「どうする?」と未明世界を追求し続けたからこそ、本能を超えた共認機能を形成し、知能を著しく進化させることができたという点である。サル・人類が霊長類と総称される由縁も、そこにある。
 
  List
  この記事は 311325 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_311356
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
328283 わからないものに関心を集め続けること 男と女の職場話 17/07/24 PM00
「対面」の価値〜共認機能を用いて、潜在意識を顕在化させる 「男と女の職場話」 17/03/07 PM05
318618 【 未知なる世界への収束と追求:共認機能の創出】から学ぶ〜未明課題こそみんなで追求することで活力があがる〜 川内麻生 16/08/19 PM07
318090 安心してもらう、喜んでもらうために 吉原一生 16/08/06 PM07
311389 サルから人類へ:観念機能の創出 岡田淳三郎 16/01/15 AM10

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献


『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp