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日本人の起源(縄文・弥生・大和)
286279 日本の稲作の起源
 
K-brace 14/01/16 PM10 【印刷用へ
日本の稲作の歴史について調べていたなかで、人類の移動も含めた稲作の起源を記した記事がありましたので、紹介します。

亜細亜が好き!コメものがたり (リンク)より引用します。

〜引用開始〜
日本の稲作は縄文時代に始まったという考え方が主流となっています。かっては稲作の開始が縄文時代と弥生時代を分けるポイントになっていましたが,現在では本格的な水田稲作の開始に変わっており,縄文時代は1万5000年前から2500年前,弥生時代は2500年前から1700年前とされています。しかし,縄文,弥生,古墳時代の区切りは研究者により相当異なっています。

日本では2500年前に本格的な水田稲作が開始されました。これは渡来人がもたらしたイネ(温帯ジャポニカ)と水田栽培技術によるものです。それに対して縄文時代に栽培されていたイネは熱帯ジャポニカとされています。

もちろん一部の遺跡を除き縄文時代のイネや籾が大量に発見されているわけではありません。少数の炭化した籾が発見されたり,土器等に籾痕が認められてもそれは外部から持ち込まれたという可能性もあり,イネを栽培していたという確かな証拠にはなりません。

ところが古代の稲作を判断するうえでとても都合の良い方法が見つかりました。それは「プラントオパール分析法」です。イネ科の植物はケイ酸(SiO2,岩石やガラスの主成分です)という物質をガラス質の珪酸体の形で特定の細胞に蓄積する性質があります。

珪酸体はいってみればガラスのようなものですから,土中でも分解されることなく残留します。しかも,珪酸体は植物の種により異なった形状をもっていますので,種と形状の一覧表を作成すると,ある地層に含まれる珪酸体を分析することにより,当時,どのようなイネ科の植物がどの程度存在していたかを判定することができます。この方法は古い時代の植生変遷を解明する「花粉分析法」と同じものです。

この「プラントオパール分析法」を確立した藤原宏志の苦労話と実際の分析結果については「稲作の起源を探る(岩波新書)」に詳しく記されています。1990年代に日本列島の縄文時代の地層および土器中のプラントオパールを分析したところ,古いもので縄文中期のものからイネのプラントオパールが発見されています。

2005年には約6000年前の縄文前期の地層から大量のプラントオパールが発見されています。これは外部からの持ち込みではなく,明らかに栽培されていたことの証拠となります。このとき発見されたのが「熱帯ジャポニカ」のものだったということです。

長江下流域の河姆渡遺跡は6500-7000年前とされていますので,それから500-1000年ほどで日本列島に伝播したことになります。このあまりにも早い伝播は稲作の起源地の周辺から直接もたらされたことを強く示唆しています。

NHKスペシャル「日本人はるかな旅」では長江下流域で稲作と漁労を行っていた人々が九州まで航海(漂着)した可能性について言及しています。「日本人はるかな旅」ではさらに,発見されたプラントオパールが「熱帯ジャポニカ」であったことから,焼畑による粗放農業で他の雑穀と一緒に栽培されていたと推定しています。

実際,プラントオパールの分析および炭化種子の分析により,多くの遺跡でイネ以外にも雑穀(アワ,ヒエ)やヒョウタン,マメ,アズキ,焼畑やその周辺に生育する雑草や樹木類の痕跡が見つかっています。

弥生時代の始まりとされる2500年前には水田稲作技術をたずさえた「渡来人」がやってきます。このルートも朝鮮半島経由,中国大陸沿岸から直接やってきたという2つの学説が並立しています。個人的には日本人と朝鮮人の遺伝子の差異の大きさから中国大陸説を支持したいと考えています。

ともあれ,彼らの持ち込んだイネは温帯ジャポニカ種でした。しばらくの間,在来種の熱帯ジャポニカと新参の温帯ジャポニカは焼畑と水田に棲み分けていたと考えられます。そして,両者が自然交配した結果,早稲の品種ができました。

この品種は収穫までの期間が短く,高温時期の短い東北地方でも栽培可能となりました。その結果,新品種の栽培はきわめて短期間のうちに青森県まで到達しています。この熱帯ジャポニカと温帯ジャポニカの混交が生みだした新品種が日本のイネのルーツとなりました。

それから約2000年が経過し,稲作は津軽海峡を越え,現在では北海道でも稲作は行われるようになりました。これは世界的にみても最高緯度の稲作ということができます。

その一方で,西日本は夏場の異常高温に悩まされることになりました。日本のコメは開花時期に最高気温が35℃以上になると受粉確率が下がる「高温不稔」を起こしたり,でんぷんの入りが悪い乳白米となります。地球温暖化がもう少し進行すると,西日本はジャポニカ種の栽培不適地になる可能性があります。
〜引用おわり〜
 
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