市場は環境を守れない、社会を統合できない
99472 「神の見えざる手」に依存する時代錯誤の政策
 
大森義也 ( 38 広島 建築設計 ) 05/10/21 AM00 【印刷用へ
アダム・スミスの「国富論」に出てくる「神の見えざる手」という理論はあまりにも有名である。

「利己的に行動する各人が市場において自由競争を行えば、自然と需要と供給は収束に向かい、経済的均衡が実現され、社会的安定がもたらされる」リンク

というのがこの理論の主旨であるが、実際に市場において自由競争を行った結果は、貧富の差を生じさせ、社会を不安定にし、恐慌・パニックにたびたび陥らせてきた、ということに他ならない。
そして、国家の介入や戦争⇒再統合を経て、人類社会は完全崩壊を免れ、なんとか統合されてきた。
まさしく、「市場は社会を統合する機能を持たない31252」のである。

にもかかわらず、市場は成長をとめることなく発展を続けて来れた。
「市場は必ず拡大し続ける」という大前提があり、それに伴う「うまみ」をぶら下げることによって大衆や国家を市場闘争・私権闘争に駆り立たせることができたからである。

しかし、いまや市場拡大が風前の灯火であることは誰の目にも明らかである。
そして、これまで実は市場が産み落とし、“拡大する活力”によって解決(あるいは捨象)されてきた、貧富の差からくる福祉問題や、市場延命のための財政問題という難課題を置き土産に、市場は拡大を停止しようとしているのだ。

こうして考えてゆくと、今、まさに人類社会は、

>次の新たな活力源⇒圧力源を自らの手で作り出せるか否かにかかっている。31252

という局面に直面しているのだ、とだれもが理解できるだろう。


にもかかわらず、いまさら「神の見えざる手」に依存しようという政策が現存するのには驚くばかりである。
郵政民営化=小さな政府への移行がその代表例だが、時代錯誤の役に立たない理論にすがるしかないのは、はからずも彼らに答えがないことを明白に示していると言えるだろう。
 
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