否定脳(旧観念)からの脱却
99344 ゲーム理論の欠陥
 
庄恵三 ( 50代 神奈川 営業 ) 05/10/18 PM11 【印刷用へ
今年のノーベル経済学賞は、ゲーム理論の現実社会への応用分析が評価された2人の米国人学者に与えられた。
ゲーム理論の説明ではよく「チキンゲーム」や「囚人のジレンマ」が取り上げられる。チキンゲームでは利害の反する2者間において妥協と強引な態度とのどちらが得かを分析したもの(強引さは相手の妥協を引き出すこともあるが、逆に取引を失う危険性もある。一方妥協すれば利得は少ないが全てを失うことは無い)であり、「囚人のジレンマ」とは犯罪を犯した2人の共犯者が個別に取調べを受け、自白を強要される場面を想定。相手を裏切って自供すれば無罪放免になるが、黙秘して相手が自白すれば重罪になる。こういう場合疑心暗鬼に陥って大概が自己防衛のため自白するという理屈である。

このゲーム理論は今や経済学ばかりでなく経営学、政治学、社会学の分野、さらに哲学、心理学、生物学、工学、計算機科学、論理学、軍事学などの広範囲の学問分野に幅広く応用されていて、これらの学問分野の相互交流を可能にする共通言語の一つとなっているそうだ。リンク
しかし今回のイラク戦争に見られるように、この理論には重大な欠陥をはらんでいるように思う。(恐らくペンタゴンは幾度となくこの理論を使ってイラク戦争をシュミレーションしたと想像できる)。
「囚人のジレンマ」では、人は必ず利害得失(私権)に殉じる行動をとる存在であるという前提がある。一般人には殆ど理解不可能な高度な金融工学によるデリバティブのよう金融取引にはこの理論は有効であっても、必ずしも利害によってのみ行動するわけではなく、むしろ自己犠牲を最も尊ぶという人間にはこの理論は殆ど無力ではなかろうか。
イラクにおいて毎日のように頻発する自爆テロ(レジスタンス)の前には、皆殺しにでもしない限りいかなる軍事力をもってしても彼等を制圧することは不可能であろう。、
人間を私権にしか反応しないと見るゲーム理論からは、市場の勝者への道は開けても、「世界の平和と安定」への道は決して開かれそうに無い。
 
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