私権原理から共認原理への大転換
98856 企業を共同体に変える時がきた
 
村上祥典 ( 40歳代 島根 電気設計 ) 05/10/10 PM02 【印刷用へ
>外資が日本の企業を食い物にしようとしたら、赤子の腕をひねるようなものだと言う。<98733

「三角合併」が2006年にも解禁される方向で進んでいます。三角合併とは、外国企業が日本に子会社を作り、その会社を通じて日本企業を買収できる仕組みです。
三角合併が可能になれば、株式時価総額の大きい欧米の有力企業は、株式時価総額の小さい有能な日本企業を簡単に買収出来るようになります。今後、海外企業によるM&A(企業の合併・買収)の活発化が予想されます。日本企業にとって、敵対的買収からいかに自らを防衛するかが重要な課題となって来ます。

海外企業(アメリカ)と日本企業の株式時価総額を比較すると、日本企業は1/10以下です。

家電では、 松下電器産業:米電機大手ゼネラル・エレクトリック=1:10
物販では、イトーヨーカ:米小売大手ウォルマート・ストアーズ=1:14
石油では、国内トップの新日本石油:米メジャーのエクソン・モービル=1:30

企業合併により時価総額を増やした銀行でさえ
三菱東京フィナンシャル・グループ:米シティ・グループ=1:4

これらの数値を見れば、三角合併が可能になれば、日本の企業はひとたまりもないことが分かります。

また、法務省は今回の通常国会で、新たに「会社法」案を提出し、「企業合併の際、吸収される会社の株主に、買収する企業の自社株だけでなく、現金や保有株式などの交付も認める。」方針のようです。日本企業は完全に侵略されます。
これに対して日本の各企業は太刀打ちできるのでしょうか?市場縮小の中で、今更、株式時価総額を極端に上げることは当然不可能です。
いよいよ、アメリカの圧力により制度も変わり、日本企業の買収が始まります。

対策案として、将来の収益予想を織り込んだ「理論株価」を試算し、敵対的買収の対象になった場合は、市場価格より高い理論株価の根拠を示し、株価を引き上げて敵対的TOBを阻む方法や、既存株主に安価で新株を発行し、敵対的買収者の持ち株比率を下げる「ポイズンピル」(毒薬)等が検討されているようですが、実現度はまだまだ薄いようです。


このことは、株式経済の限界を、また市場の限界を示していると思います。株式で設備投資資金を確保し企業を成長せる時代は完全に終わりました。こらからの株式とは、資金を持った支配階級とそこに侵略される被支配階級を作り出す仕組みでしかないのだと思います。このまま行けば、その中で被支配された企業の働く意欲は一段と衰弱し、閉塞感だけが更に進んで行く社会が予測されます。

今こそ、市場や株式制度から脱却し、企業を共同体に変革する時ではないでしょうか。

共同体体制にすることにより、自分たちで出資し、また企業意志に賛同する人だけが株式を持ち、企業を守ることが出来ます。
また、企業を共同体に変えることにより、今の閉塞した社会が待つ「活力衰弱」「高齢者・福祉問題」「子育て・少子化」等の答えを一からみんなで考えて解決し新しい社会を作っていくことが出来ます。その方向は、すでにこの「るいネット」でも議論されてきた通りです。
このまま日本企業がアメリカに買収されて行けば、今の日本の閉塞感は増大し、アメリカに完全に支配された国となることは明らかです。危機的状況ではないでしょうか。

 
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