市場は環境を守れない、社会を統合できない
98323 官→民って、何?
 
大嶋洋一 ( 40 福井 電気・情報設計 ) 05/10/01 PM11 【印刷用へ
>事実、市場は社会生活を営む上で不可欠の社会基盤(道路や港湾や上・下水道etc)さえ、決して自らの手で構築しようとはしなかった。それどころか、自ら(=市場の拡大)が作り出した貧困(⇒福祉)や戦争さえ、その遂行と尻拭いの全てを国家に押し付てきた。そして自力で拡大することが出来なくなった今では、自分自身の拡大さえも国家(国債)に押し付け、国家(地方を含む)は700兆もの借金で首が廻らなくなって終った。31251「超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない」

もともと'70頃までは、国家には戦後の貧困から生存圧力の克服と、経済力を核とした国際競争力をつけるという絶対的課題圧力が働いていた。実際、国家の威信をかけて、その統合者たる政治家や官僚の意思の下に役人が調整役となり、市場を活性化させてきた訳であり、それによって国民も豊かになってきたのだから、官は必要なものとして機能してきたのである。

しかし、'70以降豊かさが実現されるにつれ、現在まで、国家が800兆近いカンフル材を市場に投入しているのにもかかわらず、市場は活性化しない。ということは、既に、市場は拡大限界を迎え、いくらお金を投入したところで、今までの市場原理では何も新しいものは生み出せないということである。また、国家との関係で捉えると、改めて、序列統合下の私権闘争原理の下でしか、この市場化圧力は働かないことが証明されたのである。

従って、貧困が消滅し、序列原理が機能しなくなった現在、その統合機能たる官は必要ないという議論が登場してくるのは当然の結果であり、だからと言って、民へ転換すればよいというのは、全く社会構造を無視した浅はかな論理である。

>日々生産に励む人間が本来どうあることが望ましいのか、現状の問題点をどう解決してゆくのか、それを特別なこと、生活とは切り離されたものとしてでなく、考え実行してゆく、その営為が「公務」−「皆のための務め」でしょう。「期待」するのも「応望」するのも公務です。官と民の区別がなくなるーそうした社会が必要なのです。決して片手間に行うことでなく、日々の営為の一環として、「皆のため」とはっきり意識されたことを為す、それは必ず充足の喜びをもたらすはずです。32684 「公務」とは」 

現在、郵政民営化などの議論で言われている官→民への「民」とはまさに市場のことである。そして、その市場とは、国家なくして生まれてこなかった存在なのだから、官→民は不毛な議論である。今、求められているのは国家の寄生虫たる民ではなく、自分たち庶民が役に立たなくなった官に代わり、国家や社会を作っていく活動に参加できる場をどう作っていくか、この答えが求められているのです。




 
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98655 統合放棄 大森義也 05/10/07 AM01

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