実現論を塗り重ねてゆく
96685 構造改革の本質は認識構造の改革
 
雪竹恭一 ( 38 大阪府 営業 ) 05/09/01 PM07 【印刷用へ
選挙戦に突入してしまいましたが、小泉首相の提唱する構造改革が何を意味しているのか、未だにはっきりしません。おそらく、答えがないが故に、目先の「郵政民営化」を構造改革の争点にするしかないということなのだろうと思いますが、それだけでは、なぜ、どのような構造改革につながるのかはさっぱり分かりません。しかし、みんなが変革を期待している状況だからこそ、それだけでも大きな争点になり得るわけで、構造改革の本質は何か?といったことを立ち止まって考えておく必要もあるのではないかと思います。

おそらく、(今までの発言を聞く限り)小泉首相の構造改革の意図は、「公営事業の無駄を省き、効率の良い質の高い行政サービスが提供できるような行政改革を行う」「そのことによって、恒常的な赤字体質が染み付いている財政構造も改革し、財政の健全化を目指す」「さらに言えば、小さな政府を志向し、民間に任せられるところはどんどん民営化することによって、市場の活力を再生する」「郵政民営化(及び特殊法人の改革)は、その試金石である」といったあたりかと推察されます。

これは、要するに「国の借金をどうする?⇒税金の無駄使いを止めましょう」⇒「それで景気が悪いのをどうする?⇒(国にはお金がないので)規制緩和しましょう」という議論でしかありません。「小さな政府への改革(規制緩和・民営化)」というレベルの改革は、いかに市場を延命させ、景気を浮揚させるか?といった従来の政策論議を一歩も出るものではなく、別に目新しいものでもありません。こんなことをことさら「構造改革」と称して強調するのはごまかしであり、詐欺であると言ってもいいくらいです。

>社会に対する否定意識や自我・性に対する拘泥は、この時代(とりわけ知識人)に共通する潜在思念である。従って、この偏った(誤った)「構造観念」が(主に知識人に)共認され、権威化されてゆく。更に、大学の権威主義が、それに拍車をかけてゆく。しかし、否定や自我に囚われた潜在思念が(20世紀を通じて)基本的に変わらない限り、それらに基づいて作られた「構造認識」が基本的に変わらないのは、当然である。(18717

前述のような狭い論議に留まってしまうのも、本質的に考えれば、小泉首相を始め、多くの政治家たちが“否定や自我に囚われた潜在思念”に立脚しているからであると思います。「自分以外は敵であるという社会に対する否定意識や(だから)自分の私権は自分で守らねばならないといった自我に囚われた潜在思念」が変わらないから、社会や市場に対する「構造認識」も変わらないのであって、そのような「構造認識」に基づく「構造改革」が基本的に変わらないのは、当然と言えば当然です。

構造改革の本質は、目先の制度やシステムなどの改革以前に、認識の構造を改革してゆくことにあります。「否定や自我に囚われた潜在思念」を現実の人々の意識潮流に則して、「肯定や共認を求める潜在思念」へと転換してゆくことこそが、最も根底的な意味での「構造改革」であると思います。
 
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