原始共同体社会
96470 黒曜石は貴重だからみんなに配った
 
新川啓一 ( 44 神奈川 建築家 ) 05/08/26 PM10 【印刷用へ
狩猟採集生産の縄文の集団にとって、黒曜石の石器は非常に重要なものであったと思われます。
矢じり、ナイフなど、鋭くかつ使い勝手を考えた大きさに合わせて加工できる黒曜石の石器は、他の素材の石器では得られない高い性能を持つ、是非とも必要なもの、欲しいものであったと思われます。

一方、産地は限られており、どの集団でも簡単に手に入れることが出来るものではないにも関わらず、多くの遺跡で示されているように産地から概ね200km程度のエリアで多くの集団で使用されていたようです。

また、どの遺跡でも加工前の黒曜石はほとんど発見されておらず、完成品が広く出回っていたようです。
他の集団で使用する貴重な黒曜石の加工を担う、言わば職人集団のような集団が存在していたとすれば、職人集団自身の食料は他の集団から黒曜石と交換して手に入れていたと考えられます。
それでいて、黒曜石の供給側の集落であっても、特別に貴重なものや嗜好品が多く残っているということも無いようです。

現代であれば、貴重な黒曜石を元に自集団に有利な交換を行うこと、黒曜石の価値を吊り上げることをイメージしてしまいますが、おそらく、どの集団にとっても必要なもの、便利で喜んでもらえるものを一生懸命作って、自分たちにとって必要な食料等と交換した、貴重だからこそみんなに配ったのではないかと感じます。

 
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